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特集 高齢下肢切断の理学療法
在宅生活における高齢下肢切断の理学療法の現状と課題
著者: 藤井智1
所属機関: 1横浜市総合リハビリテーションセンター
ページ範囲:P.1088 - P.1093
文献購入ページに移動はじめに
近年,高齢者の切断の原因は,外傷ではなく,糖尿病や動脈硬化症をはじめとする血管原性疾患の増加が指摘されている.動脈硬化症や糖尿病に合併する脳血管障害,虚血性心疾患といった併存疾患は,機能的予後や生命的予後に大きな影響を与えるため,疾患管理は理学療法を進めるうえでも重要である.
また高齢者では,退院後の生活指導において,長年馴れ親しんだライフスタイルの変更を受け入れられないことも多い.このような背景をもつ在宅高齢下肢切断者に対して,実地の生活の中で,切断という障害と生活スタイルの再構築の両面から理学療法を考えていくことは非常に重要であり,生活動作の検討・練習にかかわる理学療法士の役割も大きい.
近年,高齢者の切断の原因は,外傷ではなく,糖尿病や動脈硬化症をはじめとする血管原性疾患の増加が指摘されている.動脈硬化症や糖尿病に合併する脳血管障害,虚血性心疾患といった併存疾患は,機能的予後や生命的予後に大きな影響を与えるため,疾患管理は理学療法を進めるうえでも重要である.
また高齢者では,退院後の生活指導において,長年馴れ親しんだライフスタイルの変更を受け入れられないことも多い.このような背景をもつ在宅高齢下肢切断者に対して,実地の生活の中で,切断という障害と生活スタイルの再構築の両面から理学療法を考えていくことは非常に重要であり,生活動作の検討・練習にかかわる理学療法士の役割も大きい.
参考文献
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5)藤井 智,他:高齢者・障害者の身体特性と環境整備のポイント.水村容子(編):新版福祉住環境,pp44-94,市ヶ谷出版,2008
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