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症例報告
著明な起立性低血圧に対し,様々な対処法を試みたシャイドレーガー症候群患者の1症例
著者: 池田法子1
所属機関: 1金沢医科大学病院医療技術部心身機能回復技術部門リハビリテーションチーム
ページ範囲:P.1102 - P.1106
文献購入ページに移動要旨:シャイドレーガー症候群は起立性低血圧などの自律神経障害が主体となる疾患であり,オリーブ小脳萎縮症,線条体黒質変性症とともに多系統萎縮症として包括されている.
起立性低血圧の対処法として弾性ストッキング,腹帯,足関節運動などが挙げられるが,本例では著明な起立性低血圧を防止することは困難であった.しかし,ベッド上座位で下肢を深く屈曲する,端座位では体幹を屈曲し,頭部を下垂する肢位において起立性低血圧を防止することが可能であった.
シャイドレーガー症候群の起立性低血圧の対処法として理学療法を行う際,従来の方法に加え,ベッド上座位では下肢を屈曲する,端座位では体幹を屈曲し,頭部を下垂するなど姿勢を考慮した対応が重要であると思われる.
起立性低血圧の対処法として弾性ストッキング,腹帯,足関節運動などが挙げられるが,本例では著明な起立性低血圧を防止することは困難であった.しかし,ベッド上座位で下肢を深く屈曲する,端座位では体幹を屈曲し,頭部を下垂する肢位において起立性低血圧を防止することが可能であった.
シャイドレーガー症候群の起立性低血圧の対処法として理学療法を行う際,従来の方法に加え,ベッド上座位では下肢を屈曲する,端座位では体幹を屈曲し,頭部を下垂するなど姿勢を考慮した対応が重要であると思われる.
参考文献
1)安藤一也,他:リハビリテーションのための神経内科学,第2版,pp223-224,医歯薬出版,2005
2)長谷川康博:多系統萎縮症における血圧調節障害.神経治療27:13-18,2010
3)長谷川康博:血圧調節障害の治療.神経治療13:229-236,1996
4)菊本東陽,他:脊髄小脳変性症の病気別理学療法ガイドライン.理学療法19:31-38,2002
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