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臨床実習サブノート 基本動作の評価からプログラムを立案する・9
腰痛症患者の基本動作の評価からプログラムを立案する
著者: 赤羽秀徳1
所属機関: 1ボディーメンテナンス・パートナー
ページ範囲:P.1123 - P.1130
文献購入ページに移動はじめに
腰痛の原因の85%は,原因が特定しきれない非特異的腰痛とされており,その多くは,椎間板,椎間関節,仙腸関節,背筋などの腰部組織に痛みの原因がある可能性が高いと考えられているが,特異的な理学所見や画像所見が乏しいことからその起源を明確にはできないとされる1).こうした背景から,腰痛を解剖学的あるいは生物学的損傷と捉え,それを矯正する手段をみつけようとする生物医学的腰痛モデルに代わり,近年では,生物・心理・社会的疼痛症候群という概念が一般的になりつつある2).つまり,生物学的因子とともに,心理的,社会的因子など多様な因子が腰痛の増悪や,慢性化に深く関連しているということであり,腰痛の捉え方が従来とは大きく変化してきている.したがって,腰痛症患者の評価・アプローチにおいては,腰部組織などの生物学的機能障害として捉えるとともに,腰痛に対する不安感や恐怖心などの心理的因子や,職場における人間関係のストレスや周囲のサポートが少ないことなどの社会的因子の関与も考慮しながら進めることが必要となる.
本稿では,腰痛を生物・心理・社会的疼痛症候群ととらえたうえで,腰痛症患者が特に症状を訴えることが多い基本動作の一つである,坐位・立位に注目し,基本的な評価および理学療法アプローチについて解説する.
腰痛の原因の85%は,原因が特定しきれない非特異的腰痛とされており,その多くは,椎間板,椎間関節,仙腸関節,背筋などの腰部組織に痛みの原因がある可能性が高いと考えられているが,特異的な理学所見や画像所見が乏しいことからその起源を明確にはできないとされる1).こうした背景から,腰痛を解剖学的あるいは生物学的損傷と捉え,それを矯正する手段をみつけようとする生物医学的腰痛モデルに代わり,近年では,生物・心理・社会的疼痛症候群という概念が一般的になりつつある2).つまり,生物学的因子とともに,心理的,社会的因子など多様な因子が腰痛の増悪や,慢性化に深く関連しているということであり,腰痛の捉え方が従来とは大きく変化してきている.したがって,腰痛症患者の評価・アプローチにおいては,腰部組織などの生物学的機能障害として捉えるとともに,腰痛に対する不安感や恐怖心などの心理的因子や,職場における人間関係のストレスや周囲のサポートが少ないことなどの社会的因子の関与も考慮しながら進めることが必要となる.
本稿では,腰痛を生物・心理・社会的疼痛症候群ととらえたうえで,腰痛症患者が特に症状を訴えることが多い基本動作の一つである,坐位・立位に注目し,基本的な評価および理学療法アプローチについて解説する.
参考文献
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