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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル46巻4号

2012年04月発行

文献概要

特集 理学療法技能の評価と学習支援 理学療法領域における臨床技能の評価と学習支援の試み

4.亀田メディカルセンターでの例

著者: 村永信吾1

所属機関: 1亀田メディカルセンターリハビリテーション事業管理部

ページ範囲:P.314 - P.316

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はじめに

 亀田メディカルセンター(以下,当院)は,千葉県南端にある925床の総合病院を中心に,回復期病院,クリニック,訪問,介護老人保健施設,特別養護老人施設など専門分化した施設に理学療法士(以下,PT)93名,作業療法士(以下,OT)34名,言語聴覚士(以下,ST)22名を有し,機能別のリハビリテーション(以下,リハ)をシームレスに提供することを目指している.

 当地域は,高齢化率30%を越え,後方支援施設も少ないことから,単一疾患への医学モデルによるリハのみならず,複合疾患を有し受け入れなどに社会的問題のある患者への総合的視点をもったリハ提供が求められている.

 当然のことながら,転院をしたとしても同一法人内での施設であることから,利用者は医療サービス,接遇,情報共有,リハサービスなどが標準化され一体的に行われていると暗黙のうちに期待しているといっても過言ではない.

 その期待に応えるためにも,当院に勤務するスタッフが,各機能分化した施設での専門的なリハの知識や技術を身につけることはもちろんのことではあるが,その部分最適な視点(専門性)だけでは完遂しない患者ニーズに対応したサービスを提供する必要がある.そのため,当院のスタッフは全体最適な視点をもって,診療時期別に変化する利用者のニーズ別にリハサービスをカスタマイズできるよう育成されることが求められる.

 当院では,基礎的教育として各施設を定期的にローテーションすることでリハ関連領域の全体像が把握できるようにしている.専門教育としては,疾患群別にチームを編成し,一定期間特定の疾患群を集中的に経験できるようにしている.そこでの指導は,スーパーバイザー(以下,SV)を個別に設定しマンツーマンで行っている.施設ごと,SVごとの指導方針,指導内容のばらつきは利用者の不信感につながりかねない.当院のように事業所間をまたいでの職員教育を行う場合は,その指導内容における標準化が必要不可欠である.そのため,「教え漏れ」「教わり漏れ」といった指導内容のばらつきを抑える仕組みとその監視が求められる.

 本稿では,当院で取り組んでいる職員教育の標準化ツールである「職務記述書」とそこで求められる力量を評価するための「チェックリスト」の運用について簡単に紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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