icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル46巻6号

2012年06月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

血圧脈波検査

著者: 古堅貞則1

所属機関: 1与那原中央病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.529 - P.529

文献購入ページに移動
 血圧脈波検査は,足首と上腕の血圧の比較や脈波の伝わり方を測定し,動脈硬化の度合いや血管障害を調べる検査である.動脈硬化は心疾患の発症や予後を規定する因子と知られている.そのため,血圧脈波検査は循環器病を引き起こす動脈硬化の早期診断と管理に不可欠である.

 実際の検査ではベッドに仰臥位となり,両側の足首と上腕に血圧計の帯,心電図の電極,心音マイクを装着し,足関節上腕血圧比(Ankle Brachial Pressure Index:ABI)と脈波伝播速度(Pulse Wave Velocity:PWV)を求める.測定結果は,コンピューターによってABI値とPWV値として数値化される.検査時間は5~10分程度である.循環器病保有者では,理学療法が処方される以前にすでに検査されていることもある.骨関節疾患においては,動脈硬化を疑わせる検査値が多く含まれるとの報告もあることから,潜在的に存在する血管病変を疑い,検査によって動脈硬化の傾向を把握し,運動負荷の質と量を考慮することは,運動療法にてリスク因子を増加させないために必要である.

参考文献

1)荻原俊男:高血圧治療ガイドライン(JSH2009).PTジャーナル 43:349-353,2009
2)白井厚治:日常臨床で望まれる動脈硬化検査法.Hert & Wellness 18:1-3,2005
3)田中歩,他:高齢者の運動処方・運動指導の注意点a内科疾患香ある場合―高血圧.臨床スポーツ医学 22:165-169,2005
4)守田武志,他:中高齢者における運動療法に伴う血圧と部位別脈波速度の変化.体力科学 57:305-314,2008
5)山野薫,他:急性期病院における理学療法対象者の血圧脈波検査装置を用いた動脈硬化の調査とその活用.理学療法科学 22:433-437,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?