icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル46巻9号

2012年09月発行

文献概要

特集 心疾患に対する理学療法の新たな展開

心血管疾患のリハビリテーションの最新ガイドラインを読み解く

著者: 野原隆司1

所属機関: 1公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院心臓センター

ページ範囲:P.775 - P.780

文献購入ページに移動
改訂ガイドラインの役割と今回の改訂のポイント

 2006年に,日本循環器学会でそれまで運用されてきた「心疾患における運動療法に関するガイドライン」(齋藤宗靖班長)の改訂版として,研究班報告を上梓した.運動療法は心血管疾患のリハビリテーションの一部であり,包括的治療において重要な位置を占めることを踏まえ,タイトルも「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2007年改訂版)」と改称した.それから5年が経過し,現在改訂作業を行っているが,作業は滞りなく進み,2012年秋に報告する予定である.多くの班員はそのまま残っていただいたが,長老については年齢制限もあり,外部評価委員となっていただいた.

 さて,前回の改訂から5年が経過したとはいえ,その後日本における心血管疾患のリハビリテーションのエビデンスが十分整ったとはとてもいえない.2000年以降,侵襲的治療,薬剤処方は多くのエビデンスを踏まえ,予後,QOL(quality of life)の改善に寄与している.それに比して,心血管疾患のハビリテーションは,診療報酬の改定が進んだとはいえ決して十分なものではない.包括医療が最終的には“ローコスト,ローリスク,ハイリターン”であることを強調しているにもかかわらず,エビデンスの集積が進まないことも含め,大きく前進したとはいいがたい状況にある.

参考文献

1)O'Connor CM, et al:Efficacy and safety of exercise training in patients with chronic heart failure:HF-ACTION randomized controlled trial. JAMA 301:1439-1450, 2009.
2)Ezekowitz JA, et al:Declining in-hospital mortality and increasing heart failure incidence in elderly patients with first myocardial infarction. JACC 53:13-20, 2009.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら