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編集後記 フリーアクセス
著者: 高橋哲也
所属機関:
ページ範囲:P.868 - P.868
文献購入ページに移動さて,今回の特集は「心疾患に対する理学療法の新たな展開」です.今秋に更新される予定の新しいガイドラインの使用法についてガイドライン班長の野原隆司先生が理学療法士への檄文とともに解説しています.エンドユーザーの理学療法士はガイドライン(治療指針)の本質を読み解き正確に使用する責務があります.和温療法は物理療法の一つの温熱療法ですが,今では「Waon Therapy」と呼ばれ,患者の予後にも影響するとして,世界中から注目されています.補助人工心臓の進歩も著しく,これからは人工心臓を植え込んで自宅へ退院する患者も増えてくることと思います.心臓外科手術や周術期管理の進歩はめざましく,その進歩の中で新しい理学療法士の役割を確立しなければなりません.早期離床は腸管運動を促通しないことも報告されており,もはやただ早く起こせばいいという時代ではありません.電気刺激療法にも新たな可能性が見えてきました.病院の機能分化と強化,在宅医療体制の強化の社会的流れの中で,心疾患を在宅で診ることも必ず多くなってきます.一方で,心臓リハビリテーションは未だに理学療法士の中ではマイナーで,先輩方が「背中」で示すどころか,拒絶することもあり,急性期病院の中で未だに市民権を得ているとは言えません.陛下が身をもって心臓リハビリテーションの重要性を示された今こそが,理学療法士が心臓リハビリテーション分野で活躍を広げられる絶好のチャンスであることを先輩理学療法士は自覚すべきです.
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