文献詳細
文献概要
とびら
親族と患者
著者: 舟見敬成1
所属機関: 1一般財団法人総合南東北病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.951 - P.951
文献購入ページに移動 私の妻の近親者(以下,Aさん)が,胸部大動脈瘤の切迫破裂で失神発作を起こし,緊急で当院に入院治療となった.Aさんは80歳台半ばで,要介護1の夫との二人暮らし.2年ほど前から指摘されていた動脈瘤は,上行大動脈から弓部大動脈にかけて広い範囲に認められ,今回破裂した場所は70mmを超えていた.入院時のCTでは,血管外に出血を確認でき,非常に危険な状態であった.主治医からは,本人および家族に手術か保存治療かの選択を迫られた.そして,Aさんは,「これ以上長くない」,「手術をしたら,寝たきりになる」,「家族や親戚に迷惑をかけたくない」,「家に帰れなくなくなるのではないか」などの理由から保存治療を選んだ.
ICUにて厳格な降圧治療を受け,収縮期血圧が100mmHg以下でコントロールされたのち,入院3日目に心大血管リハビリテーションの処方となった.私は,Aさんのことをよく知っている.だから,かかわることに際して個人的な感情が入ることを恐れたが,一方で,こんな想いもあった.それは,私の近親者のほとんどは,職場から300kmも離れた新潟県の田舎にいる.万が一,私の近親者の誰かがAさんと同じような病気になったとしても,献身的にかかわることができない.だとしたら,自分の近親者に対するのと同じ気持ちでAさんを担当してみよう,そう思った.
ICUにて厳格な降圧治療を受け,収縮期血圧が100mmHg以下でコントロールされたのち,入院3日目に心大血管リハビリテーションの処方となった.私は,Aさんのことをよく知っている.だから,かかわることに際して個人的な感情が入ることを恐れたが,一方で,こんな想いもあった.それは,私の近親者のほとんどは,職場から300kmも離れた新潟県の田舎にいる.万が一,私の近親者の誰かがAさんと同じような病気になったとしても,献身的にかかわることができない.だとしたら,自分の近親者に対するのと同じ気持ちでAさんを担当してみよう,そう思った.
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