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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル47巻11号

2013年11月発行

文献概要

臨床実習サブノート 理学療法をもっと深めよう・8

脳血管疾患患者の生活を理解する

著者: 小林量作1

所属機関: 1新潟医療福祉大学医療技術学部理学療法学科

ページ範囲:P.1033 - P.1041

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はじめに

 障害者の生活をイメージするとは,どういうことであろうか.学生に「担当患者の自宅での生活はどうなるのか」と質問しても,多くの学生は将来の生活をイメージできない.生活という用語があまりにも漠然としており,指導者の考える生活の範囲と学生の考える生活の範囲は異なっている可能性がある.そのことは,すでに用語の理解というスタート位置でギャップが生じていることになる.学生はなぜ高齢障害者の生活をイメージできないのだろうと考えるとき,この生活という用語理解の多様性と,人生経験も浅く臨床未経験の者が,入院入所の生活,退院後の在宅生活をイメージすることは困難と言わざるを得ない.学生は,このような制約の中で生活を漠然とイメージするのではなく,できるだけ客観的な情報に基づいて論理的にイメージする,つまり「推測」する練習が必要になるだろうと考える.

 論理的にイメージするには,常に理学療法の視点から「生活とは」「高齢障害者の生活とは」を考え,生活の「何を測り,評価して」,「何を目標に」,「何を指導するのか」筋道立てて考えるクセをつけておくことが必要である.

参考文献

1)古谷野亘,他:地域老人における活動能力の測定―老研式活動能力指標の開発.日本公衛誌34:109-114,1987
2)鈴木隆雄:介護予防のための生活機能評価に関するマニュアル(改訂版),厚生労働省,2009 http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1c_0001.pdf
3)福屋靖子:在宅身体障害者の生活指導―リハビリテーション援助に必要な生活構成要素の分析.PTジャーナル23:374-383,1989
4)小林量作:脳血管障害.牧田光代,他(編著):地域理学療法学,第3版,pp206-211,医学書院,2012
5)福屋靖子:在宅障害者の評価.地域理学療法マニュアル,p29,日本理学療法士協会,1989
6)小林量作:在宅神経難病患者のための住宅改造(第3回)玄関.難病と在宅ケア6:56-60,2000
7)上田 敏:目で見るリハビリテーション医学,第2版,p24,東京大学出版会,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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