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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル47巻12号

2013年12月発行

文献概要

入門講座 食する・4

「食する」満足度を高める理学療法アプローチ

著者: 馬場裕美1 隆島研吾2

所属機関: 1海老名メディカルサポートセンターリハビリテーション科 2神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部リハビリテーション学科

ページ範囲:P.1097 - P.1102

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はじめに

 私たち人間にとって食べる行為は,必要な栄養が補給されるだけではなく,社会生活や精神生活において幸福感や満足感を得るためのものでもある.施設に入所する高齢者にとって,食事や会話を日常生活の生きがいや楽しみとする者は多く,介護度の高低にかかわらず,食事が楽しみの1位を占めているといった報告がある1)

 しかし現在,要介護高齢者の食事に関する報告の多くは,摂食・嚥下や栄養管理に関するものが多く,満足度に関する観点からの報告は多くない.そこで本稿では,高齢者が抱える食事の問題点および満足度などの観点から,そのアプローチ方法について解説する.

参考文献

1)加藤順吉郎:福祉施設および老人病院における住民利用者(入所者・入院患者)の意識実態調査分析結果.愛知医報1434:2-14,1998
2)矢守麻奈:栄養改善とリハビリテーション.OTジャーナル40:14-18,2006
3)川本仁美:栄養管理の基礎知識.OTジャーナル40:8-13,2006
4)矢守麻奈:摂食・嚥下過程とその障害.言語聴覚療法臨床マニュアル,改訂第2版,小寺富子(監),協同医書出版社,pp442-443,2005
5)東京都福祉局保健部:平成12年東京都「かかりつけ歯科医意見書」活用モデル事業に関する分析報告書,2001
6)厚生労働省「口腔機能向上マニュアル」分担研究班:口腔機能向上マニュアル―高齢者が一生おいしく,楽しく,安全な食生活を営むために,改訂版,2009
7)厚生労働省「介護予防マニュアル」分担研究班:栄養改善マニュアル,改訂版,2009
8)安藤徳彦:評価.土屋弘吉他(編):日常生活活動(動作)―評価と訓練の実際,第3版,医歯薬出版社,pp37-52,2001
9)杉山みち子,他:平成16年度厚生労働省老人保険事業推進等研究補助金「施設及び居宅高齢者に対する栄養・食事サービスのマネジメントに関する研究会」報告書―要介護者における低栄養状態を改善するために,pp40~42,2005
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11)足立蓉子:高齢者における食事満足度に及ぼす要因.栄養学雑誌46:273-287,1988
12)足立蓉子:高齢者の食事満足度に及ぼす要因(第2報).日本家政学会誌42:529-536,1991
13)河野篤子:高齢者の食生活の実態―食事満足度を用いた解析.京都女子大学食物学会誌57:17-24,2002
14)田辺由紀,他:食の満足感構成要素の構造.日本家政学会誌49:1003-1010,1998
15)尼子裕美,他:要介護高齢者に対する食事アプローチに関する研究―食事満足度からみたアプローチすべき因子について.理学療法学36:60,2009
16)尼子裕美,他:要介護高齢者に対する食事アプローチに関する研究(第2報)―食事満足度の特性とADL能力について.理学療法学39:1017,2012
17)備酒伸彦,他:在宅健常高齢者の日常生活動作・生活関連動作の価値序列.理学療法学18:103-107,1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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