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臨床実習サブノート 理学療法をもっと深めよう・9
脊髄損傷患者の生活を理解する
著者: 隆島研吾1
所属機関: 1神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部リハビリテーション学科
ページ範囲:P.1117 - P.1122
文献購入ページに移動脊髄損傷患者は,その損傷髄節レベルでほぼ機能レベルが決まると言われている.特に頸髄損傷ではその髄節レベルひとつの違いで可能な機能レベルが大きく違い,そのことが日常生活活動(activities of daily living:ADL)の違いとなることは成書のとおりである(図1,図2)1,2).一方,退院後は,在宅生活において髄節レベルで獲得できた能力を使って個人的生活を行うことになる.しかし,その生活スタイルはさまざまであり,基本的なADLから社会参加レベルまで考えなければならない.
急性期から回復期における理学療法では,基本的ADLのうち特に寝返り,起き上がりや移乗・移動動作など,主に起居動作を中心に獲得できるようにアプローチされている.その時期に,多様な生活形態を見据えることは困難を伴うが,退院を意図した時期では当然退院後の生活を視野に置かなければならない.
本稿では,急性期や回復時期の基本的トレーニングについては成書に譲り,主に在宅へ向けての視点と評価すべき内容について述べることとする.
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