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臨床実習サブノート 基本動作の評価からプログラムを立案する・11
切断者の基本動作の評価からプログラムを立案する―大腿切断者を例に
著者: 石垣栄司1
所属機関: 1臨床福祉専門学校理学療法学科
ページ範囲:P.160 - P.166
文献購入ページに移動はじめに
義足装着適応となる下肢切断者のリハビリテーションにおいて,理学療法士は義足非装着時の基本動作やADL(activities of daily living:日常生活動作),義足装着時の基本動作やADLを評価し,その能力を向上させるプログラムを立案しなければならない.われわれ理学療法士は,基本動作における評価やプログラム立案を行う際には,以下の3点について十分理解しておく必要がある.
1)義足非装着時の起き上がりでは,切断した下肢の重量がないことで不安定になりやすく,上肢や体幹に頼るところが多くなること.
2)立ち上がりでは,1)と同様不安定になりやすく,非切断下肢や上肢に頼りがちになること.
3)義足は筋や神経が存在しない機械であるので,十分な練習なしには健常者の下肢のように思いどおりにはコントロールできないこと.
本稿では大腿切断者を例に,起き上がり,立ち上がり(坐り),歩行の特徴と,これらの評価から運動療法や動作指導のプログラムについて解説する.
義足装着適応となる下肢切断者のリハビリテーションにおいて,理学療法士は義足非装着時の基本動作やADL(activities of daily living:日常生活動作),義足装着時の基本動作やADLを評価し,その能力を向上させるプログラムを立案しなければならない.われわれ理学療法士は,基本動作における評価やプログラム立案を行う際には,以下の3点について十分理解しておく必要がある.
1)義足非装着時の起き上がりでは,切断した下肢の重量がないことで不安定になりやすく,上肢や体幹に頼るところが多くなること.
2)立ち上がりでは,1)と同様不安定になりやすく,非切断下肢や上肢に頼りがちになること.
3)義足は筋や神経が存在しない機械であるので,十分な練習なしには健常者の下肢のように思いどおりにはコントロールできないこと.
本稿では大腿切断者を例に,起き上がり,立ち上がり(坐り),歩行の特徴と,これらの評価から運動療法や動作指導のプログラムについて解説する.
参考文献
1)東江由起夫:大腿義足のアライメント調整技術.義装会誌16:233-237,2000
2)東 祐二,他:大腿切断者におけるバランス能力と歩行能力との関係―Berg Balance Scaleを用いた検討.義装会誌27:172,2011
3)永冨史子,他(編):15レクチャーシリーズ理学療法テキスト―義肢学,中山書店,2011
4)川村次郎,他(編):義肢装具学,第3版,医学書院,2004
5)澤村誠志:切断と義肢,医歯薬出版,2007
6)日本義肢装具学会(監):義肢学,第2版,医歯薬出版,2010
7)大峯三郎,他(編):理学療法学テキスト―義肢装具学,神陵文庫,2008
8)細田多穂(監):シンプル理学療法学シリーズ―義肢装具学テキスト,南江堂,2009
9)細田多穂(編著):Q & Aフローチャートによる下肢切断の理学療法,第3版,医歯薬出版,2002
10)水落和也:大腿切断者の義足処方に必要な身体機能とリハビリテーションの原則.義装会誌26:7-14,2010
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