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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル47巻3号

2013年03月発行

文献概要

特集 関節リウマチの最新治療と理学療法

関節リウマチに対する内科的治療の最新知見―生物学的製剤導入後の変化

著者: 伊藤聡1

所属機関: 1新潟県立リウマチセンター

ページ範囲:P.185 - P.190

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はじめに

 わが国の関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の内科的治療は,現在アンカードラッグ(治療の中心となる薬剤)として脚光を浴びているメトトレキサート(以下,MTX)の承認が1999年と,欧米諸国に約10年遅れをとり(米国での承認は1988年),生物学的製剤の承認も2003年と,欧米諸国に比べ約5年の遅れをとった(米国はエタネルセプトが1998年に承認,わが国ではインフリキシマブが2003年に承認).しかしその後,現在までに6つの生物学的製剤が承認され,また当初懸念されていた重篤な副作用も頻度がさほど高くないことが判明し,RA治療の切り札として普及している.また,MTXも,承認用量の上限が8mg/週と,欧米に比べて低いことが問題になっていたが,2011年2月に公知申請により16mg/週までの使用が可能になり,予後不良因子があれば第一選択薬としての使用が可能になった.生物学的製剤の多くは十分量のMTXの併用下で最大の効果を発揮することが判明しており,MTX承認用量の増加は,生物学的製剤の効果をさらに引き上げることになった.

参考文献

1)伊藤 聡,他:関節リウマチ(RA)に対する,メトトレキサート(MTX)増量の有効性と安全性,日本リウマチ学会総会・学術集会・国際リウマチシンポジウムプログラム・抄録集56,443,2012
2)リウマトレックス適正使用情報,Vol. 18,2012
3)伊藤 聡:免疫抑制薬の臨床応用実践論―高齢者関節リウマチ.炎症と免疫17:88-100,2008
4)Hayashi T, et al:Elevated level of serum cystatin-C concentration is a useful predictor for myelosuppression induced by methotrexate for treatment of rheumatoid arthritis. Mod Rheumatol 20:548-555, 2010
5)日本リウマチ学会MTX診療ガイドライン策定小委員会(編):関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン2011年版,羊土社,2011 (簡易版)http://www.ryumachi-jp.com/info/img/MTX2011kanni.pdf(2012年12月15日アクセス)
6)リウマトレックス適正使用情報,Vol. 16,2010
7)Ito S, et al:Development of fulminant hepatitis B(precore variant mutant type)after the discontinuation of low-dose methotrexate therapy in a rheumatoid arthritis patient. Arthritis Rheum 44:339-342, 2001
8)日本リウマチ学会:免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン(改訂版)について http://www.ryumachi-jp.com/info/news110926.html(2012年12月15日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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