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特集 関節リウマチの最新治療と理学療法
関節リウマチに対する内科的治療の最新知見―生物学的製剤導入後の変化
著者: 伊藤聡1
所属機関: 1新潟県立リウマチセンター
ページ範囲:P.185 - P.190
文献購入ページに移動わが国の関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の内科的治療は,現在アンカードラッグ(治療の中心となる薬剤)として脚光を浴びているメトトレキサート(以下,MTX)の承認が1999年と,欧米諸国に約10年遅れをとり(米国での承認は1988年),生物学的製剤の承認も2003年と,欧米諸国に比べ約5年の遅れをとった(米国はエタネルセプトが1998年に承認,わが国ではインフリキシマブが2003年に承認).しかしその後,現在までに6つの生物学的製剤が承認され,また当初懸念されていた重篤な副作用も頻度がさほど高くないことが判明し,RA治療の切り札として普及している.また,MTXも,承認用量の上限が8mg/週と,欧米に比べて低いことが問題になっていたが,2011年2月に公知申請により16mg/週までの使用が可能になり,予後不良因子があれば第一選択薬としての使用が可能になった.生物学的製剤の多くは十分量のMTXの併用下で最大の効果を発揮することが判明しており,MTX承認用量の増加は,生物学的製剤の効果をさらに引き上げることになった.
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