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特集 関節リウマチの最新治療と理学療法
関節リウマチに対する物理療法の効果と可能性―侵害受容器の治療への応用と侵害受容性アプローチ
著者: 西山保弘1
所属機関: 1九州大学病院別府病院慢性疾患診療部
ページ範囲:P.209 - P.215
文献購入ページに移動2012年度診療報酬改定において,維時期のリハビリテーションの見直しが行われた.要介護被保険者等に対するリハビリテーションは,状態の改善が期待できると医学的に判断されない場合には医療保険下から介護保険下に移行することが定められた.今後は患者のニーズに応える在宅リハビリテーションでの物理療法のスキルの修得も必要になる.
物理療法の目的は,関節痛や筋肉痛,関節腫脹,関節可動域,変形,筋萎縮などの改善と予防が挙げられる.臨床現場で関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)に物理療法が用いられる理由の多くは,炎症に伴う急性または慢性関節痛である.中でも日常生活上のオーバーユースによる関節痛,筋肉痛,全身疲労感は,日常生活指導,基礎療法教育も含めた対処が必要である.
本稿では,RAの改善が医学的に期待できる物理療法について臨床的私見も交えて考える.特に新しい戦略として,腫脹した関節部や軟部組織の痛覚過敏部位の侵害受容器を応用した侵害受容性アプローチ(nociceptive approach:NA),在宅で行うことのできる物理療法を紹介し,RAの物理療法の方向性を考える.
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