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臨床実習サブノート 理学療法をもっと深めよう・1【新連載】
疼痛を理解する
著者: 松原貴子1 城由起子2
所属機関: 1日本福祉大学健康科学部リハビリテーション学科 2名古屋学院大学リハビリテーション学部理学療法学科
ページ範囲:P.359 - P.363
文献購入ページに移動疼痛は「実質的または潜在的な組織損傷に結びつく,あるいはそのような損傷を表す言葉を使って表現される不快な感覚・情動体験」(国際疼痛学会,1994)と定義されている.つまり,疼痛は一感覚というだけでなく情動的価値判断を伴い,また組織損傷との対応が見出されないものも含む1).このように,疼痛は組織損傷の舞台である末梢レベルから,その情報を伝え情動や認知として処理を行う脊髄,大脳皮質,辺縁系など中枢レベルの機能異常まで幅広い視野で病態をとらえる必要がある.
現在では,疼痛は①組織損傷に起因する急性痛と,②組織損傷や外傷イベントが明確でないか,治癒した後にもかかわらず残存・増悪する慢性痛に分類されている.また,米国議会による「Decade of Pain Control and Research痛みの10年(2001~2010年)」宣言を受け,世界的規模で慢性痛医療・研究に取り組む潮流が生み出され,疼痛医療の発展に大きなエポックを画した.
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