文献詳細
文献概要
臨床実習サブノート 理学療法をもっと深めよう・2
運動器疾患の下肢疼痛を理解する
著者: 永井聡1
所属機関: 1広瀬整形外科リウマチ科
ページ範囲:P.445 - P.452
文献購入ページに移動疼痛すべてを運動療法では解決できない
運動器疾患のほとんどに疼痛は合併しており,疼痛発生原因をどのようにとらえ対応するかは理学療法上重要である.運動器疾患の病態は,正常な関節運動からの逸脱に起因することが多く,日常生活でのメカニカルストレスが疼痛の原因となる.したがって,正常な関節運動に近づけることが疼痛寛解につながる.
しかし,疼痛を訴える患者すべてに運動療法を適応できるものではなく,メカニカルストレスに起因する疼痛なのか,メカニカルストレスとは関係なく自発的な関節破壊や変形(関節リウマチに代表される疾患)による疼痛なのか,原疾患は何かなど,対象と病態を明確にしなければ,当然理学療法の効果も得られにくい.すなわち姿勢の改善などをアウトカムにした運動療法で対応できるものなのか,それとも疼痛に対応する物理療法,あるいは内服や注射,安静・固定などで治療すべきなのか,判断できるようになることが重要である.
運動器疾患のほとんどに疼痛は合併しており,疼痛発生原因をどのようにとらえ対応するかは理学療法上重要である.運動器疾患の病態は,正常な関節運動からの逸脱に起因することが多く,日常生活でのメカニカルストレスが疼痛の原因となる.したがって,正常な関節運動に近づけることが疼痛寛解につながる.
しかし,疼痛を訴える患者すべてに運動療法を適応できるものではなく,メカニカルストレスに起因する疼痛なのか,メカニカルストレスとは関係なく自発的な関節破壊や変形(関節リウマチに代表される疾患)による疼痛なのか,原疾患は何かなど,対象と病態を明確にしなければ,当然理学療法の効果も得られにくい.すなわち姿勢の改善などをアウトカムにした運動療法で対応できるものなのか,それとも疼痛に対応する物理療法,あるいは内服や注射,安静・固定などで治療すべきなのか,判断できるようになることが重要である.
参考文献
1)建内宏重:痛みに対する運動療法.市橋則明(編):運動療法学―障害別アプローチの理論と実際,pp331-343,文光堂,2008
2)加藤 浩,他:有痛性疾患の理学療法プログラム―変形性股関節症.理学療法23:338-349,2006
3)永井 聡,他:画像のみかた―股関節画像のみかた.PTジャーナル43:533-541,2009
4)永井 聡:関節病態運動学―股関節の病態運動学と理学療法Ⅰ.理学療法24:362-374,2007
5)久保俊一,他(編):変形性股関節症―基本とUP TO DATE,pp52-61,南江堂,2010
6)土井口祐一,他:骨盤傾斜異常と股関節症の進展メカニズム―股関節正面像を用いた骨盤傾斜の解析から.関節外科23:484-492,2004
7)永井 聡:姿勢の評価,動作の評価.対馬栄輝(編):筋骨格系理学療法を見直す―はじめに技術ありきの現状から,どう新展開するか,pp164-184,文光堂,2011
8)石井慎一郎:膝のゆるみと回旋:screw home move-mentを中心にsportsmedicine 142:6-14,2012
9)永井 聡:股関節疾患に対する運動療法のパラダイムシフト.福井 勉(編):ブラッシュアップ理学療法―88の知が生み出す臨床技術,pp197-201,三輪書店,2012
掲載誌情報