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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル47巻6号

2013年06月発行

文献概要

特集 脳卒中理学療法のシームレス化にむけて

脳卒中回復期理学療法に期待すること―生活期理学療法の立場から

著者: 江口宏12 大久保智明12 野尻晋一12 山永裕明2

所属機関: 1訪問看護ステーション清雅苑 2熊本機能病院総合リハビリテーションセンター

ページ範囲:P.494 - P.502

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はじめに

 2012年度診療報酬・介護報酬同時改定では,2025年に向けて地域包括ケアシステムの構築1)が推進され,今後退院後の生活の場は在宅が多くを占めるようになる.さらに回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期病棟)においては,早期にかつ確実に患者を在宅復帰させることが望まれている.これからの脳卒中回復期理学療法には,短縮化される入院期間においても患者を在宅へ円滑に移行させることに努めなくてはならないという使命が課されている.

 そのために回復期理学療法(以下,回復期)に期待することは,まず入院当初から画像診断(CT,MRIなど)と正確なアセスメントを実施し機能予後予測(特に歩行)を行うことである2).そして機能回復が主目的2)でありつつも在宅生活のイメージをもって理学療法に取り組むこと,在宅復帰まで時間的制約を有したなかでも,回復期が実践できる具体的な介入方法を知ることである.

 そこで本稿では,生活期理学療法(以下,生活期)の立場から,① 在宅生活のイメージをもつための基本的視点,② 在宅復帰のために回復期に留意/行ってほしいこと,生活期へ提供してほしい情報を中心に述べる.

参考文献

1)厚生労働省ホームページ:平成24年度介護報酬改定について http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/housyu/dl/a01.pdf(2013年4月11日アクセス)
2)大久保智明,他:熊本機能病院総合リハビリテーションセンターにおける脳卒中リハビリテーション介入戦略.理学療法探究15:17-24,2012
3)山永裕明,他:回復期から維持期の連携パス.地域リハビリテーション3:220-225,2008
4)総務省統計局ホームページ:平成23年社会生活基本調査 調査の結果 結果の概要 http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/gaiyou.htm#a03(2013年4月11日アクセス)
5)森 義貴,他:施設入所者と在宅生活者における排泄に関する比較調査.第19回全国介護老人保健施設大会 京都,2008 http://www.roken.or.jp/wp/taikai/endai(2013年4月11日アクセス)
6)ウィリアム・C・デメント(著),藤井留美(訳):ヒトはなぜ人生の3分の1も眠るのか? 講談社,2002
7)医科診療報酬点数表2012 https://sites.google.com/a/mfeesw.com/2012ika/sc/t/b/b007(2013年4月11日アクセス)
8)野尻晋一,他:図解 訪問リハビリテーション,三輪書店,執筆中
9)竹内睦雄,他:訪問リハビリで利用開始から3ヵ月以内に行った福祉用具の介入に関する調査.第46回日本理学療法学術大会抄録集 https://www.jstage.jst.go.jp/browse/cjpt/2010/0/_contents/-char/ja/?from=27(2013年4月11日アクセス)
10)Umphred DA:Neurological Rehabilitation,pp761-807,西村書店,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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