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学会印象記
―第77回日本循環器学会学術集会―理学療法士がチーム医療の一員として確立していくために
著者: 花田智1
所属機関: 1都城市郡医師会病院
ページ範囲:P.521 - P.521
文献購入ページに移動まず,心臓リハビリテーションについて,本学会を通してのキーワードは「心不全」「高齢化」「多職種」「疾病管理」であったように感じた.そして,心臓リハビリテーションにおいては,現在一つの変換期を迎えつつあるのではないだろうか.それを最も考えさせられ,印象に残ったのが,埼玉医科大学の牧田茂先生による講演であった.トピックスの一つとして紹介された「強心薬を切ることができない方への運動療法はどのように展開していけばよいか」は,重症心不全に対するリハビリテーションアプローチにおける近年の課題として取り上げられていた.われわれ理学療法士は,高齢かつ重症心不全というさまざまな因子が絡み合った病態にハイリスクが加わった方へ,「運動」という治療法を用いる.今後,「安全」と「積極性」という相反する両者のバランスの比重をどこに置き,患者さんに対して有益な運動をどのように展開していくのかは,興味深いテーマであり,これからさらに臨床における症例検討を行う必要性を感じた時間であった.
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