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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル47巻6号

2013年06月発行

文献概要

入門講座 歩行のバイオメカニクス・2

歩行関連動作のバイオメカニクス―方向転換動作・着座動作

著者: 櫻井好美1 石井慎一郎1 石田啓子2 山中理絵3

所属機関: 1神奈川県立保健福祉大学リハビリテーション学科 2医療法人佐藤病院 3公益財団法人横浜勤労者福祉協会汐田総合病院

ページ範囲:P.527 - P.532

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はじめに

 高齢者の転倒事故が,屋外よりも屋内で多く発生していることはよく知られている.屋外活動と屋内活動の相違点として,重心の上下動と方向転換の頻度が挙げられる.屋外では前方への推進が主であるのに対して,屋内では連続して同方向に歩行し続けることは少なく,「立ち止まってドアを開け,椅子に背を向けて座る」といったように,重心の位置や進行方向を適切なスピードで変化させることが必要となる.

 本稿では,屋内において転倒や骨折のリスクとなりやすいと考えられる方向転換動作と着座動作について,バイオメカニクス的観点から解説する.

参考文献

1)Perry J, et al:Gait Analysis:Normal and Pathological Function, 2nd ed, pp30-38, Slack Inc, NewYork, 2010
2)石井慎一郎:レクチャーノートVOL 1―歩行の臨床バイオメカニクス[改訂版],pp6-49,南西書店,2012
3)石田啓子,他:方向転換動作方略の相違が体軸内回旋運動に及ぼす影響.第30回神奈川県理学療法士学会プログラム抄録集:44,2013
4)山本 功,他:腰椎姿勢の全腰椎動態の及ぼす影響.整外バイオメカニクス12:197-200,1990
5)Yamada M, et al:Maladaptive turning and gaze behavior induces impaired stepping on multiple footfall targets during gait in older individuals who are at high risk of falling. Arch Gerontol Geriatr 54:102-108, 2012
6)元文芳和:骨粗鬆症性脊椎椎体骨折.日医大医会5:125-129,2009
7)Castaing J, et al(著),井原秀俊,他(訳):脊柱.図解 関節・運動器の機能解剖(上肢・脊柱編),pp107-192,協同医書出版,2002
8)坂本二郎,他:脊椎圧迫骨折による後彎を考慮した脊柱の筋骨格力学解析.日臨バイオメカ会誌29:293-297,2008
9)山本澄子,他:基礎バイオメカニクス,pp110-114,医歯薬出版,2010
10)福井 勉:膝関節,山嵜 勉(編),整形外科理学療法の理論と技術,pp84-114,メジカルビュー社,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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