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臨床実習サブノート 理学療法をもっと深めよう・4
運動器疾患の背部痛を理解する
著者: 福井勉1
所属機関: 1文京学院大学保健医療科学研究科・同スポーツマネジメント研究所
ページ範囲:P.643 - P.648
文献購入ページに移動日本理学療法士協会理学療法診療ガイドラインによると,背部痛(back pain)とは,上背部ならびに腰背部の疼痛を主訴とするもののうち,原因が明らかでなく,神経学的な変化がみられず,さらに画像所見において明らかな器質的変化を認めないものの総称1)であるとされている.いわゆる力学的因子以外に,非身体的因子(精神・社会経済的問題)の評価が必要であることは特筆すべきである.
ただ多種類の評価が存在し,非特異的なものが理学療法の対象になることも多く,その意味からも国内での有益なevidenceに欠けているのが現状である.またいわゆる背部の疼痛を有する疾患は幅広く,違和感を訴える場合も多い.頸部疾患や呼吸器,循環器,消化器などからも背部痛を訴えることがある.その全体を扱うのは困難であるため,本論では運動時の動作分析とそのポイントから,運動器疾患のなかでも腰痛の代表である腰椎屈曲時の疼痛と腰椎伸展時の疼痛について述べる.両者とも運動に特徴があり,運動範囲が過剰になっている部位と逆に不足している部位が連結したような特徴を有する.また主訴は腰部あるいは下肢にあるが,腰部はいずれも過剰運動を呈していることが多い.安定性が欠落した腰部においては深層筋活動が低下し,逆に浅層筋活動が過剰になっていることが多い.また過剰活動の原因には股関節可動性低下が深く関与している.
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