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臨床実習サブノート 理学療法をもっと深めよう・10
脳性麻痺児の生活を理解する
著者: 中林美代子1
所属機関: 1新潟県はまぐみ小児療育センター
ページ範囲:P.71 - P.80
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日本理学療法士協会によれば,会員数は現在85,000名を超えているが,このうち小児領域に携わっている理学療法士は,約1,300名(全体の2%弱)と想定される1).
小児理学療法は,対象疾患が多岐にわたるが,なかでも中枢神経障害に起因する脳性麻痺(cerebral palsy:CP)児は,理学療法士がかかわることが最も多い疾患である.生後より成長過程の各時期に応じて理学療法による治療介入を要するが,治療的ハンドリングによる介入のみならず,成長・発達の観点から,遊びを通して理学療法を実施する必要がある.また,療育者に対し子育てを支援し,生活にあたっては,社会資源の調整も考慮しなければならない.この点が成人の中枢神経疾患と異なる点と考える.本稿では,CP児について,その病態や生活を踏まえながら解説し,理学療法アプローチや家族支援について紹介する.
日本理学療法士協会によれば,会員数は現在85,000名を超えているが,このうち小児領域に携わっている理学療法士は,約1,300名(全体の2%弱)と想定される1).
小児理学療法は,対象疾患が多岐にわたるが,なかでも中枢神経障害に起因する脳性麻痺(cerebral palsy:CP)児は,理学療法士がかかわることが最も多い疾患である.生後より成長過程の各時期に応じて理学療法による治療介入を要するが,治療的ハンドリングによる介入のみならず,成長・発達の観点から,遊びを通して理学療法を実施する必要がある.また,療育者に対し子育てを支援し,生活にあたっては,社会資源の調整も考慮しなければならない.この点が成人の中枢神経疾患と異なる点と考える.本稿では,CP児について,その病態や生活を踏まえながら解説し,理学療法アプローチや家族支援について紹介する.
参考文献
1)公益法人日本理学療法士協会:日本理学療法士協会資料・統計会員の分布,2013 http://www.japanpt.or.jp/03_jpta/about_jpta/05_index.html
2)理学療法診療ガイドライン部会編集:脳性麻痺.理学療法診療ガイドライン第1版,公益法人日本理学療法士協会,2011
3)落合幸勝:障害児の家族支援.千野直一(編集主幹):リハビリテーションMOOK 8.小児のリハビリテーション―病態とライフステージへの対応,pp140-146.金原出版,2004
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6)久保温子:脳性麻痺―アテトーゼ.上杉雅之(監):イラストでわかる小児理学療法,pp239-251,医歯薬出版,2013
7)中林美代子:脳性麻痺の運動療法.吉尾雅春(編):標準理学療法学 専門分野 運動療法学各論,第3版,pp184-201,医学書院,2010
8)浪本正晴:小児理学療法の特性.上杉雅之(監):イラストでわかる小児理学療法,pp239-251,医歯薬出版,2013
9)新田 收:脳性麻痺の病理期別理学療法ガイドライン.理学療法19:57-63,2002
10)原 泰夫:脳性まひ児の理学療法.PTジャール37:372-376,2003
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12)米津 亮,他:地域生活支援を目的とした小児理学療法.PTジャーナル43:383-389,2009
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