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特集 安全管理
理学療法における感染管理
著者: 執行淳一1
所属機関: 1医療法人眞幸会草加松原リハビリテーション病院開設準備室
ページ範囲:P.943 - P.950
文献購入ページに移動理学療法士の業務の特徴として,治療や基本的動作練習の際に患者に直接触れたり密着したりすることがあるということ,診療報酬上1単位20分からと濃厚接触する機会が多く,時間も長いということがある.また,リハビリテーション室や理学療法室と呼ばれる理学療法を行う部屋は,病院では複数病棟の入院患者,また外来の患者が,施設などでは入所・通所の利用者が共用することがある.居室やベッドサイドへ往診することもあり,多くの病棟やフロアを横断的に移動する職場もある.訪問リハビリテーションでは,利用者の家に次々に出入りする.理学療法の対象となる人は予防分野を別として病気やけがの治療中や後遺症を有していたり,高齢者であることが多い.そのため,易感染状態にあることが考えられる.
以上のことを考慮すると,理学療法を行うことは,病原体を広く拡散する危険性が高く,患者や理学療法士は常に感染症の最前線で危険と隣り合わせにある可能性があるということになる.
本稿では感染症の病原体を「持ち込まない,持ち出さない」ようにするための各種感染症に対する理解と,具体的な感染対策への取り組みについて述べる.
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