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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル48巻11号

2014年11月発行

文献概要

特集 脊椎・脊髄疾患と理学療法

高齢者脊椎圧迫骨折と装具療法

著者: 竹井健夫1 東島直生1 浅見豊子2 森本忠嗣3

所属機関: 1佐賀大学医学部附属病院先進総合機能回復センター 2佐賀大学医学部附属病院先進総合機能回復センターリハビリテーション科 3佐賀大学医学部附属病院先進総合機能回復センター整形外科

ページ範囲:P.1035 - P.1039

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はじめに

 近年,高齢者の理学療法を実施する際に,加齢により骨粗鬆症や変形性脊椎症が進行したり,脊椎アライメントの構造変化を生じたりしている患者に対応しなければならないことが少なくない1).そのような高齢者においては,何ら問題のない普通の動作によっても脊椎圧迫骨折などを生じ,急激な腰痛,腰背部痛を引き起こすことがある.さらに脊柱起立筋の筋力低下が起立時後彎変形を起こし,椎体の圧潰を進行させる.そのような場合に有用なのが装具療法である.

 本稿では,高齢者脊椎圧迫骨折に対する装具の構造と特徴,装着時のチェックポイント,装具支給制度,理学療法および患者指導における留意点などを中心に概説したい.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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