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文献概要
特集 認知行動療法
慢性疼痛に対する認知行動療法
著者: 中島恵子1
所属機関: 1帝京平成大学大学院臨床心理学研究科
ページ範囲:P.1111 - P.1117
文献購入ページに移動はじめに
リハビリテーション医療は,神経・筋・骨格系の運動障害を主な治療対象とするが,機能障害の診断,評価項目は,成長,発達,高次脳機能障害,排泄障害など多岐にわたっているため,機能障害から派生する能力低下,社会的不利の把握は重要である.治療は,機能障害の回復はもとより,機能障害による生活あるいは社会への不適応状態を改善し自立をめざすことにある.そのため,リハビリテーション医療は,身体障害への評価・トレーニングと心理・社会的障害への評価・トレーニングを同時に行うチーム医療である.
病気や事故などの後遺症(障害など)から,これまでの人生の基盤となっていたさまざまな事柄を失うことによって生じる感情は多様である.「回復への願望」「挫折感」「閉塞感」「失望感」「不安感」「抑うつ感」「恐怖感」などの感情は,セルフエスティーム(自分の存在価値)を低下させることがある.このような心理・社会的障害には,適切な評価に基づく早期からの治療介入が必要である.
リハビリテーション医療は,神経・筋・骨格系の運動障害を主な治療対象とするが,機能障害の診断,評価項目は,成長,発達,高次脳機能障害,排泄障害など多岐にわたっているため,機能障害から派生する能力低下,社会的不利の把握は重要である.治療は,機能障害の回復はもとより,機能障害による生活あるいは社会への不適応状態を改善し自立をめざすことにある.そのため,リハビリテーション医療は,身体障害への評価・トレーニングと心理・社会的障害への評価・トレーニングを同時に行うチーム医療である.
病気や事故などの後遺症(障害など)から,これまでの人生の基盤となっていたさまざまな事柄を失うことによって生じる感情は多様である.「回復への願望」「挫折感」「閉塞感」「失望感」「不安感」「抑うつ感」「恐怖感」などの感情は,セルフエスティーム(自分の存在価値)を低下させることがある.このような心理・社会的障害には,適切な評価に基づく早期からの治療介入が必要である.
参考文献
1)Bonica JJ,横田敏勝(訳):問題の重要性.Andersson S,et al(eds),横田敏勝,他(監訳),非癌性疼痛.pp4-7,真興交易医書出版部,1989
2)横田敏勝:慢性疼痛の生理.MB Med Rehabil 23:1-9,2002
3)本田哲三:慢性疼痛のリハビリテーション—リハビリテーション医.MB Med Rehabil 23:15-18,2002
4)中島恵子,他:33年間にわたる「謎の痛み」症例へのリハビリチームアプローチ(慢性疼痛管理プログラム)の経験 心理的側面を中心に.心療内科2:250-256,1998
5)中島恵子:転換障害と看護.整形外科看護4:76-70,1999
6)中島恵子:慢性疼痛患者への看護.整形外科看護4:56-62,1999
7)中島恵子:慢性疼痛.渡辺俊之,他(編):リハビリテーション患者の心理とケア.pp90-105,医学書院,2000,
8)中島恵子,他:認知行動療法的アプローチ.痛みと臨床1.135-142,2001
9)中島恵子:若年性慢性疼痛患者への認知行動療法.九州ルーテル学院大学心理臨床センター研究紀要:23-29,2004
10)Nakashima K:Cognitive behavioral therapy to a chronic pain patient with a chief complaint of spasmodic torticollis, Abstracts of p.43, V World Congress of Behavior and Cognitive Therapies, Barcerona, Spain, 2007
11)中島恵子:傾性斜頸を主訴とする慢性疼痛患者への認知行動療法.MB Med Rehabil 138:37-45,2011
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