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特集 発達障害児の理学療法と生活指導
発達障害児の摂食・嚥下障害に対する理学療法と生活指導
著者: 永井志保1
所属機関: 1横浜市総合リハビリテーションセンター発達支援部療育課
ページ範囲:P.119 - P.127
文献購入ページに移動食事は,生きていくためのエネルギーや栄養を摂取する活動である.しかしそれだけでなく,楽しみやコミュニケーションなど心理・社会的な役割も大きい.覚醒が低く活動中は目を開けないのに,給食の匂いがするとパチッと目が開き口が動き出す子供たちをよくみる.おいしいものを楽しく食べることの幸せは,心のエネルギーの摂取につながると言える.
毎日の暮らしのなかで繰り返される食事という場面で,こうした「食べる喜び」が育つことは,子供たち一人一人の生き生きと生きる力を育てる.しかし,発達障害を持った子供たちは,さまざまな理由から食べる力が育ちにくく,「食べる喜び」が育たないこともある.療育にかかわる理学療法士として,この子供たちの食べる力を育てるために,できることは何であろうか.
本稿ではまず,食べる力の発達についてまとめる.続いてキーワードとなる,発達障害児の摂食・嚥下障害と理学療法評価アプローチの流れ,生活指導を考えるうえでのポイントについて述べる.そして具体的事例を報告するなかで,理学療法士の役割を考えていきたい.
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