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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル48巻2号

2014年02月発行

文献概要

症例報告

大腿骨転子部骨折に対するCHS後に変形骨癒合した症例に対する人工骨頭置換術後の理学療法の経験

著者: 江戸優裕12 濱裕3 四本直樹3

所属機関: 1文京学院大学 保健医療技術学部 理学療法学科 2国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 福祉援助工学分野 3IMSグループ 新葛飾病院 整形外科

ページ範囲:P.140 - P.144

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要旨:左大腿骨転子部骨折に対してcompression hip screw(CHS)を施行し,さらにその1年半後にバイポーラ型人工骨頭置換術(bipolar hip arthroplasty:BHA)を施行した症例を経験した.本症例はCHSにより良好な整復位が得られておらず,BHAを施行する前は頸体角等の大腿骨頸部のアライメント不良によって股関節は屈曲・内転・内旋位を呈していた.これに起因して歩行は内旋歩行となり,患肢の疼痛によって歩行器を使用していた.BHA後は緩徐ながらも股関節可動域に改善を認めたが,その一方で,大腿骨頸部が延長されたことによる脚長差の補正のため,歩行時にknee-inが残存していた.これらの改善を目的に運動療法と足底挿板を実施したところ,BHA後7週でknee-inはほとんど認められなくなり,疼痛は消失し独歩が自立した.その後は二次的な膝関節障害の予防を図り,BHA後16週で理学療法を終了した.

参考文献

1)東 千夏,他:一期的に矯正した高度な下肢回旋変形の2例.整外と災外51:855-859,2002
2)藤田博暁,他:高齢者の大腿骨頸部骨折患者に対する理学療法.理学療法科学17:149-156,2002
3)Schunke M, et al,坂井建雄,他(監訳):プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系,p367,医学書院,2007
4)石橋英明:大腿骨頸部骨折のリハビリテーション.理学療法科学20:227-233,2005
5)建内宏重:下肢運動連鎖の基礎知識―股関節と下肢運動連鎖.臨床スポーツ医学30:205-209,2013
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7)Brattström H, et al:Long-term results in knee arthrodesis in rheumatoid arthritis. Acta Rheumatol Scand 17:86-93, 1971
8)Smillie IS:Diseases of the knee joint, 2nd ed, pp311-312, Churchill Livingstone, London, 1980

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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