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文献概要
入門講座 拘縮・2
難治性の手の拘縮
著者: 浅野昭裕1
所属機関: 1碧南市民病院リハビリテーション室
ページ範囲:P.151 - P.157
文献購入ページに移動はじめに
臨床において手の拘縮にはしばしば遭遇し,その対応に苦慮することも多い.外傷や術後における拘縮は瘢痕性の癒着がベースとなるため,創傷治癒過程の理解が治療成績の向上につながる.一方,本稿で取り上げる脳卒中にみられる肩手症候群の手,橈骨遠位端骨折後の複合性局所疼痛症候群[complex regional pain syndrome:CRPS(reflex sympathetic dystrophy:RSD)]に伴う拘縮,Volkmann拘縮,Dupuytren拘縮などは,それぞれが外傷とは異なる拘縮の発生機序を持ち,あるいはその機序自体,十分に解明されていないため,難治化,遷延化することも珍しくはない.本稿では,これらの拘縮について現在考えられている機序を紹介し,理学療法について述べたい.
臨床において手の拘縮にはしばしば遭遇し,その対応に苦慮することも多い.外傷や術後における拘縮は瘢痕性の癒着がベースとなるため,創傷治癒過程の理解が治療成績の向上につながる.一方,本稿で取り上げる脳卒中にみられる肩手症候群の手,橈骨遠位端骨折後の複合性局所疼痛症候群[complex regional pain syndrome:CRPS(reflex sympathetic dystrophy:RSD)]に伴う拘縮,Volkmann拘縮,Dupuytren拘縮などは,それぞれが外傷とは異なる拘縮の発生機序を持ち,あるいはその機序自体,十分に解明されていないため,難治化,遷延化することも珍しくはない.本稿では,これらの拘縮について現在考えられている機序を紹介し,理学療法について述べたい.
参考文献
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