icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル48巻3号

2014年03月発行

文献概要

特集 地域における理学療法のパラダイムシフト

高齢者に対する自助・互助支援体制構築における理学療法士の活動

著者: 有賀裕記12 内田智子2 椎名真希2 関澤智光2 飯田裕章2 伊藤綾2 小澤多賀子23 大森葉子2 大田仁史2

所属機関: 1医療法人いつき会守山いつき病院リハビリテーション部 2茨城県立健康プラザ 3筑波大学大学院人間総合科学研究科

ページ範囲:P.195 - P.202

文献購入ページに移動
はじめに

 団塊世代が65歳を迎える2015年問題に対し,茨城県立健康プラザ(以下,健康プラザ)の管理者である大田は「住民自ら学び,力をつけ,自らが社会に役立つことを自覚し,世代を超えた共助の精神で,官民一体となって乗り切る!」覚悟が必要であると述べている.茨城県では2005年より,2015年以降の人口構造の変化に備え,住民から介護予防の実践者を育て,介護予防の一翼を担う住民参加型の介護予防事業「シルバーリハビリ体操指導士養成事業」(以下,養成事業)を開始した.理学療法士は,当初より本事業において実践者を養成するシルバーリハビリ体操指導士養成講習会(以下,講習会)のテキスト作成,運営を行い,さらに講師として,その普及にかかわっている.

 本稿では,養成事業の全体像を紹介し,ヘルスリテラシーの段階的変化の視点からシルバーリハビリ体操指導士(以下,指導士)が主体的活動を行うに至ったプロセスを考察する.

参考文献

1)大田仁史:大田仁史の脳卒中いきいきヘルス体操,新訂版,荘道社,2011
2)大田仁史:いきいきヘルスいっぱつ体操―目でみる介護予防,医歯薬出版,2003
3)大田仁史:介護予防のいっぱつ体操,日本放送出版協会,2006
4)Nutbeam D:Health literacy as a public health goal:a challenge for contemporary health education and communication strategies in to the 21st century. Health Promot Int 15:259-267, 2000
5)村田淳子,他:Health Literacyの概念分析―保健センターで展開される健康教育の場において.日本看護科学会誌26:84-92,2006
6)澤村誠志(監),日本リハビリテーション病院・施設協会(編):地域リハビリテーション白書3―地域包括ケア時代を見据えて,pp267-271,三輪書店,2013
7)小澤多賀子,他:介護予防ボランティア活動と認定割合に負の相関関係―茨城県シルバーリハビリ体操指導士養成事業と地域の介護予防.介護保険情報14:28-30,2013
8)倉本直美,他:アメリカにおけるヘルスリテラシーの動向.からだの科学250:31-36,2006
9)渡邉正樹,他:米国カリフォルニア州における学校健康教育―健康教育ガイドライン「ヘルス・フレイムワーク」の概要.日本公衆衛生雑誌46:216-223,1999
10)山本浩二,他:日本の中学校健康教育における課題とヘルスリテラシーの必要性に関する一考察―中学校新学習指導要領の実施に向けて.東京学芸大学紀要芸術・スポーツ化学系63:87-97,2011
11)有賀裕記,他:茨城県における介護予防事業(運動)の取り組み―市町村における体操教室の展開.地域リハ4:956-960,2009
12)小貫葉子,他:茨城県における介護予防事業(運動)の取り組み―1級指導士の活躍と今後の展開3級養成講習会地域開催.地域リハ4:1044-1049,2009
13)黒谷和志:教育実践における批判的リテラシーの形成―パウロ・フレイレの再評価をめぐって.広島大学大学院教育学研究科紀要.第三部,教育人間科学関連領域50:249-256,2001
14)酒井由紀子:ヘルスリテラシー研究と図書館情報学分野の関与―一般市民向け健康医学情報サービスの基盤として.Library Inf Sci 59:117-146,2008
15)中島美和,他:茨城県における介護予防事業(運動)の取り組み―シルバーリハビリ体操指導士養成事業の概要.地域リハ4:870-874,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?