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姿勢安定度評価指標(IPS)による適切なバランス能力評価の臨床指標についての検討
著者: 鈴木康裕1 田邊裕基1 丸山剛1 塩見耕平1 船越香苗1 石川公久1 江口清2
所属機関: 1筑波大学附属病院リハビリテーション部 2筑波大学附属病院
ページ範囲:P.232 - P.236
文献購入ページに移動姿勢安定度評価指標(Index of Postural Stability:IPS)を検討の対象として,IPSを重心動揺計によって従来用いられてきた各指標(動揺面積,単位軌跡長,ロンベルグ率)と比較し,またIPSの適切な臨床指数として最小可検変化量(minimal detectable change:MDC)を求めた.
対象は若年健常者101名(年齢:25.3±5.6歳,男性45名,女性56名)とした.各指標における2回の測定値間の変動率を比較した.またIPSにおける再現性の検討を系統誤差の観点から行うことでMDCを算出した.その結果,1-2回目の変動率についてはIPSの変動率が他の指標と比べ有意に少なく,またIPSにおいて系統誤差は認められず,MDCは0.26と算出された.
これらのことから,重心動揺計を用いたバランス能力の評価において,IPSが系統誤差においても再現性に優れた指標であることが示唆され,また適切な臨床指数も示すことができた.
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