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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル48巻4号

2014年04月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

ニューロリハビリテーション

著者: 森岡周1

所属機関: 1畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

ページ範囲:P.335 - P.335

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●ニューロリハビリテーションとは

 脳科学成果をリハビリテーションに応用しようとする流れがある.この流れから生まれた用語がニューロリハビリテーション(Neurorehabilitation)である.国際的組織のThe World Federation for NeuroRehabilitationのサイトには,神経障害のリハビリテーション(Neurological rehabilitation)にかかわる専門家組織と示されている.また成書によれば,ニューロリハビリテーションは「神経系の損傷あるいは疾患によって起こる機能障害の回復を最大限に引き起こす臨床専門分野」と定義されている1)

 一方,狭義のNeurological rehabilitationではなく,運動制御・学習に関する脳科学知見を取り入れ,対象者を神経障害に限らない考え方もある.最近では,運動器疾患や疼痛患者でも皮質の再組織化が起きることがわかっている.こうしたことから,ニューロリハビリテーションをNeuroscience-based Rehabilitationの略称とする考え方も多い.筆者もこれに準じニューロリハビリテーションを「ニューロサイエンスを基盤にあるいはそれと連携しながらリハビリテーション療法を考案・介入し,その効果を検証する手続き」と定義している2).いずれにしても,ニューロリハビリテーションは,神経機能再建(neural repair)や機能系の再組織化(reorganization)を促進させ,行為を学習させる手続きと捉えることができる.

参考文献

1)Selzer M, et al:Textbook of Neural Repair and Rehabilitation:Volume 1, Neural Repair and Plasticity, Cambridge University Press, 2006
2)森岡 周:リハビリテーションのための神経生物学入門,協同医書出版社,2013
3)Sharma N, et al:Recovery of motor function after stroke. Dev Psychobiol 54:254-262, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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