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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル48巻6号

2014年06月発行

特集 臨床実習教育の実態と展望

学生からみた臨床実習教育の実態と展望

著者: 杉本大貴12

所属機関: 1神戸大学医学部保健学科理学療法学専攻 2日本理学療法学生協会

ページ範囲:P.487 - P.493

文献概要

はじめに

 私は日本理学療法学生協会(Japan Physical Therapy Student Association:JPTSA)に所属している.JPTSAは理学療法士をめざす学生同士の交流・情報交換の機会を増やすことにより,学生の視野の拡大および理学療法に対する意識の向上・啓発を目的とした学生主体の団体である.主な活動として交流会があり,年に数回各地の大学で行われている.

 また,JPTSAのその他の活動として,アジア理学療法学生協会(Asia Physical Therapy Student Association:APTSA)の活動への参加がある.APTSAは,理学療法士をめざすアジアの学生の情報交換の促進,国際競争力の向上,視野の拡大を目的とした団体である.私は,日本における交流会やAPTSAが毎年開催する学会に参加することで多くの学生と意見を交換する機会を得た.その際,国内・海外問わず多くの学生が臨床実習を話題として取り上げていた.

 臨床実習に関して海外の学生と意見交換を行うことで,日本と海外の臨床実習の違いや日本の臨床実習の現状がみえてきた.また,日本各地の大学の学生との意見交換を通して現在の臨床実習においていくつかの問題点がみえてきた.そのなかでも最も印象的であったのは「臨床実習は臨床実習施設次第,指導者の考え方,やり方次第」という言葉である.つまり,臨床実習は臨床実習施設や臨床実習指導者の考え方によって経験できる実習の内容や実習中の生活が異なるということである.ほかにも,意見交換を通して多くの学生が臨床実習に対して不安を感じていること,そして実際に苦労したことなどを聞くことができた.

 そこで,臨床実習に対して学生はどのように考えているのか,学生の考えをまとめるために,JPTSAの協力を得て複数の大学にアンケート調査を実施した.その結果をもとに,学生の立場からみた臨床実習の問題点と展望を提示したい.

参考文献

1)高橋精一郎:理学療法学教育における臨床実習の現状と展望.PTジャーナル47:373-379,2013
2)国際検証特別委員会:各委員調査結果 http://www.japanpt.or.jp/members/international/01_international_verification/(2014年3月1日閲覧)
3)大澤諭樹彦:ACPT加盟国の理学療法―タイの理学療法.PTジャーナル42:383-386,2008
4)古西 勇:ACPT加盟国の理学療法―フィリピンの理学療法.PTジャーナル42:397-401,2008
5)石田 瞳:臨床実習への期待と要望―理学療法士養成課程卒業後に医学科に在籍している立場から.PTジャーナル47:401-402,2013
6)日本理学療法士協会(編):理学療法教育ガイドライン(1版),pp6-10,日本理学療法士協会,2010
7)小池伸一,他:臨床実習における燃えつき度・ストレス・コーピング.リハビリテーション教育研究10,52-55,2005
8)高橋幸加,他:臨床実習における不安および安心要因―実習生へのアンケート調査より.リハビリテーション教育研究15,102-104,2010
9)奈良 勲:理学療法学教育における臨床実習のあり方を問う.広大保健学ジャーナル4:1-5,2004
10)北野知地,他:臨床実習における学生の気分状態に関する縦断調査.リハビリテーション教育研究14:119-122,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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