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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル48巻6号

2014年06月発行

文献概要

特集 臨床実習教育の実態と展望 都道府県理学療法士会からみた臨床実習教育の実態と展望

2.臨床教育支援用DVD版ティーチングティップスの開発

著者: 堀本ゆかり12 内田成男13

所属機関: 1静岡県理学療法士会 2常葉大学健康科学部静岡理学療法学科 3富士リハビリテーション専門学校

ページ範囲:P.501 - P.504

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はじめに

 日本理学療法士協会の統計によると,2013年6月時点の国内の理学療法士の平均年齢は32.8歳であり,40歳以下の理学療法士が83.6%である.理学療法士数の増加が維持された場合,これより10年後の理学療法士数は20万人前後となり,その一方,同時期の退職予定者数はその3%にも満たないことが推測される.可及的速やかに後進の教育ができる人材の育成が急務である.木村1)によると,臨床実習の指導のあり方の多くは,指導者個々の価値観や経験則に基づいた実習指導として行われているのが実情のように思われると報告している.また,自動車教習における路上教習と理学療法士の臨床実習との比較を例として用いながら,臨床実習指導者養成体制の充実・理学療法士教育におけるコアカリキュラムの構築・臨床実習指導モデルの体系化が課題であると述べている.

 臨床教育は初心者である学生に評価や治療介入を実践させていく.学びは学生自身が行うものという考え方もあるが,何をどのように学び,行うか,その成果は臨床実習指導者の促しと支援の技量により大きく左右される.学生の状況を見極め,必要な援助を行える臨床実習指導者が必要なのである.しかし,現実には理学療法士の関心は「臨床技術」にあり,教育は直接業務ではないという認識が強いようである.実際に臨床実習業務を任されても,自身の教育的技術の未熟さと,今どきの学生の対応とに疲弊している臨床実習指導者も多いのではないかと推測する.

参考文献

1)木村貞治:臨床実習指導の要点.理学療法研究・長野40:34-43,2012
2)日本理学療法士協会:理学療法教育ガイドライン(1版),日本理学療法士協会,2010
3)山形大学:『あっとおどろく大学授業 NG集』 http://www.yamagata-u.ac.jp/gakumu/kyouiku/video.htm(2014年3月15日閲覧)
4)立本久美子:学生から見た総合臨床実習の課題―実習アンケートからの検討.理学療法学28:361,2001
5)中川法一,他:臨床教育の検証と新たな方向性.理学療法学40:151-155,2013
6)神戸良之,他:実践を通した臨床能力の開発 臨床実習(第4回)―臨床実習における学生の教育的評価.理学療法学38:537-541,2011
7)辻 義人:視聴覚メディア教材を用いた教育活動の展望―教材の運営・管理と著作権.小樽商科大学人文研究115:175-194,2008
8)Paivio A:Mental Representaions A Dual Coding Approach, Oxford University Press, New York, 1986
9)Clark JM, et al:Dual Coding Theory and Education. Educational Psychology Review 3:149-210, 1991
10)北條礼子:外国語教育における画像の効果に関する基礎的研究4―色彩要因を中心に.教育工学関連学会協会連合会第3回全国大会講演論文集,49-50,1991
11)Brody PJ, et al:Can pictorial attributes serve mathemagenicfunctions? Educatinal Communication and Technology 28:25-29, 1980
12)北條礼子:外国語教育における画像の効果に関する基礎的研究2.視聴覚教育研究21:55-67,1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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