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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル48巻6号

2014年06月発行

文献概要

症例報告

広範な病巣を有する小脳梗塞例の理学療法経験

著者: 田村哲也1 中村洸貴1 柴尾京子1 吉尾雅春1

所属機関: 1千里リハビリテーション病院

ページ範囲:P.562 - P.567

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要旨:広範な病巣を有する小脳梗塞例の重度の運動失調に対し,画像所見の分析も加味して立位・歩行練習を主とする理学療法を試みた.入院当初は意識障害,協調性運動障害,運動失調に伴う姿勢,運動の不安定さを認め,日常生活活動は全介助を必要とした.Computed tomography(CT)画像では左側小脳のほぼ全域に低吸収域を認めた.治療は長下肢装具(knee-ankle-foot orthosis:KAFO)を使用した立位・歩行練習から開始した.意識障害の改善と併せて,立位では自発的な姿勢保持を促すとともに,能動的な運動課題を通じて自動的な姿勢調整を求めた.また歩行はKAFO歩行やさまざまな歩行形態を同時進行的に実施し,能力の改善と併せて日常的に歩行を繰り返した.その結果,16週目に約5重複歩の独歩が可能となり,24週目で壁伝い歩行と排泄動作が自立し,26週目には日常生活動作が概ね自立した.残存領域の機能を最大限活用することはリハビリテーションの要素として不可欠であり,その治療計画の構成に画像所見は有用である.

参考文献

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10)宮井一郎:運動失調に対するリハビリテーション.神経治療28:49-51,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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