文献詳細
文献概要
入門講座 義肢装具の適合・3
長下肢装具の適合
著者: 日野工1
所属機関: 1医療法人博愛会横浜病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.641 - P.650
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長下肢装具(knee-ankle-foot orthosis:KAFO)の適応疾患は脊髄損傷後の対麻痺,急性灰白髄炎(ポリオ)後の弛緩性麻痺,脳血管障害(外傷を含む)後の片麻痺への使用が主に知られている.脊髄損傷への使用は,両外側股継手を用いたreciprocating gait orthosis(RGO,図1a),内側股継手付両側長下肢装具,Walkabout(ヒンジ式内側股継手),Primewalk(スライド式内側股継手,図1b)が代表的である.いずれの装具も移動補助手段や全身機能(臓器機能,運動器機能)の活性化目的で立位・歩行練習に実用的使用が行われている.
ポリオは,わが国では1980年以降,野生株による感染が根絶されたとされ,若い理学療法士には縁遠い疾患となっていると思われる.また,前述の事情によりKAFOを必要とする患者は加齢も相俟って減少しているが,技術の進歩とともに550gほどにまで軽量化が進んでいる(図1c).
一方,片麻痺への使用では,脳卒中治療ガイドライン1)によるKAFOの有効性の後押しもあり,病院常備用,カスタムメイドを問わずKAFOの臨床活用の割合が増えている.本稿では片麻痺のKAFO(支柱付)に論点し,その選択視点,適合と歩行促通に必要な適合調整,最近の動向を紹介する.また,筆者が活用しているプラスチックKAFOの適応と病態に対応した適合調整を述べる.
長下肢装具(knee-ankle-foot orthosis:KAFO)の適応疾患は脊髄損傷後の対麻痺,急性灰白髄炎(ポリオ)後の弛緩性麻痺,脳血管障害(外傷を含む)後の片麻痺への使用が主に知られている.脊髄損傷への使用は,両外側股継手を用いたreciprocating gait orthosis(RGO,図1a),内側股継手付両側長下肢装具,Walkabout(ヒンジ式内側股継手),Primewalk(スライド式内側股継手,図1b)が代表的である.いずれの装具も移動補助手段や全身機能(臓器機能,運動器機能)の活性化目的で立位・歩行練習に実用的使用が行われている.
ポリオは,わが国では1980年以降,野生株による感染が根絶されたとされ,若い理学療法士には縁遠い疾患となっていると思われる.また,前述の事情によりKAFOを必要とする患者は加齢も相俟って減少しているが,技術の進歩とともに550gほどにまで軽量化が進んでいる(図1c).
一方,片麻痺への使用では,脳卒中治療ガイドライン1)によるKAFOの有効性の後押しもあり,病院常備用,カスタムメイドを問わずKAFOの臨床活用の割合が増えている.本稿では片麻痺のKAFO(支柱付)に論点し,その選択視点,適合と歩行促通に必要な適合調整,最近の動向を紹介する.また,筆者が活用しているプラスチックKAFOの適応と病態に対応した適合調整を述べる.
参考文献
1)脳卒中合同ガイドライン委員会編:脳卒中治療ガイドライン2009,協和企画,2009
2)大竹 朗:脳卒中片麻痺患者の下肢装具.理学療法学39:427-434,2012
3)日野 工:プラスチックKAFO.PTジャーナル45:786,2011
4)渡邉英夫:脳卒中の下肢装具,第2版―病態に対応した装具の選択法,医学書院,2011
5)大田哲生:脳卒中の下肢装具.総合リハ40:1285-1290,2012
6)浅見豊子:装具マネージメントの実際.総合リハ40:1277-1284,2012
7)日野 工,他:動画でみる脳血管障害患者の臨床動作分析.理学療法24:1077-1084,2007
8)日野 工:脳卒中患者に対する下肢装具療法―道具選びの目利きのコツ.高知県理学療法18:35-42,2012
9)大畑浩司:歩行のバイオメカニクス―装具歩行のバイオメカニクス.PTジャーナル47:611-620,2013
10)増田知子:回復期脳卒中理学療法のクリニカルリーズニング―装具の活用と運動療法.PTジャーナル46:502-510,2012
11)増田知子:脳卒中片麻痺患者における装具療法の進め方―セパレートカフ式長下肢装具の活用.義装会誌29:22-27,2013
12)森中義広,他:脳卒中片麻痺維持期におけるプラスチック装具活用のポイント.理学療法22:773-787,2005
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