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とびら
いま,社会は教育に何を求めているのか
著者: 木林勉1
所属機関: 1金城大学医療健康学部理学療法学科
ページ範囲:P.797 - P.797
文献購入ページに移動さて,理学療法士を育成する大学の課題はいかがであろう.特徴的なカリキュラムとして810時間以上にも及ぶ臨床実習がある.これは主体的に取り組むべき必要不可欠なカリキュラムであるが,臨床実習教育者からは「学生に積極性がない」との指摘を頻繁に受ける.これは「自らの力で課題を見いだし,それを解決する能力」の不足によるものであろう.その能力を補完するために,筆者は「アクティブ・ラーニング(active learning:AL)」に注目している.これは学生の能動的な学修活動への参加を触発する授業や学修法であり,自発的に学修テーマをみつけ,課題解決への思考過程を身につける教育方法である.ALとは,タブレット端末やクリッカーといった情報通信技術(information and communication technology:ICT)を導入しただけの授業を指すものではない.学生同士が課題についてディスカッションを行い,仮に解答のない課題についてでも,最も信憑性のある解を見いだす過程を学びの基盤とするものである.ICTは,あくまでもALのツールの一つであるとの認識が必要である.
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