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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル48巻9号

2014年09月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語~正しい意味がわかりますか?

光背効果(halo effect)

著者: 加藤勝利1

所属機関: 1医療法人輝生会在宅総合ケアセンター成城

ページ範囲:P.853 - P.853

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 私たちは,さまざまな対象や事象に対する情報を処理するときに,スキーマ(schema:過去の経験によって身につけた知識構造)を利用する.スキーマは,対人理解に役立つが,とらわれ過ぎると対人認知に歪みがもたらされる原因となる.その対人認知を歪める要因の1つが光背効果(halo effect)である.光背とは,仏像などから出る輝き,「後光が差す」の後光のことを言う.光背効果とは,ある人物の1つの特性が好ましい,あるいは好ましくないものであれば,その評価を全体的評価まで拡大し,他の特性も好ましいものだろう,または好ましくないだろうと判断してしまう傾向のことである1)

 例えば,理学療法士の経験年数が同じであっても,学歴の高いスタッフを技術に優れ,能力が高いだろうと判断してしまったり,几帳面で身だしなみがしっかりとしているスタッフは,仕事も正確に行うことができるだろうと判断してしまう.実際には,学歴が高いことや身だしなみがしっかりしていることで,技術や能力が高く仕事が正確にできるわけではないにもかかわらず,そのような判断をしてしまうことが光背効果による影響である.

参考文献

1)中城 進(編著):人間理解のための心理学,pp215-229,北大路書房,2014
2)中村章人:心理学による人間行動の理解,pp128-153,大学教育出版,2005
3)平井謙一:人事評価の心構えと留意点-現場での悩みを解消する,pp132-146,生産性出版,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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