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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル49巻12号

2015年12月発行

文献概要

特集 理学療法士界における継往開来

理学療法士教育における継往開来

著者: 吉元洋一1

所属機関: 1鹿児島大学医学部保健学科理学療法学専攻

ページ範囲:P.1071 - P.1076

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はじめに

 わが国における理学療法士の教育は,1963年に国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院(2008年3月閉校)に理学療法科が設置されたことに始まる.1965年8月28日には「理学療法士及び作業療法士法」が施行され,1966年2月に第1回の国家試験が行われ,183名の理学療法士が誕生した.

 1970年には医療関係者審議会理学療法・作業療法部会から厚生大臣,文部大臣に両分野の養成を学校教育法に基づく大学教育に委ねることが望ましいとの意見が出されている.さらに,1977年に日本学術会議は「リハビリテーションに関する教育,研究体制について」の勧告で,理学療法・作業療法の教育は,4年制大学でなされることが強く望まれるが,教育に当たるものが確保しがたい状況では,少数の4年制大学教育の開始と平行して,3年制短期大学教育をも発足せしめることも必要としている1).この勧告から2年後の1979年には金沢大学医療技術短期大学部に理学療法学科,作業療法学科が設置され,1992年には広島大学に悲願の4年制大学が設置された.

 その後,養成施設の数は増加し,2015年5月現在では募集停止を含め253校であり,その内訳は表1に示すごとく4年制大学が4割近くを占めている.入学定員の総数は1万3,635名であり,18歳人口が120万人であることを考えると,100人に1人が理学療法士養成校に入学していることになる.

参考文献

1)河邨文一郎:「リハビリテーションに関する教育・研究体制等について(勧告)」掲載にあたって.リハ医学15:107-128,1978
2)日本理学療法士協会(編):理学療法白書1985.pp59-70,日本理学療法士協会,1985
3)小川克巳:臨床実習教育の変遷と展望.PTジャーナル40:5-11,2006
4)日本理学療法士協会(編):理学療法白書1995.pp69-80,日本理学療法士協会,1996
5)臨床実習検討委員会:臨床実習検討委員会最終報告書.厚生省健康政策局,1991
6)吉元洋一:何が大学理学療法学教育として望まれているのか,理学療法学教育2:1-7,2013
7)沼田憲治:理学療法士と教育.日本理学療法士協会(編):理学療法白書2000.p54,日本理学療法士協会,2001
8)渡辺 純:理学療法士の教育.日本理学療法士協会(編):理学療法白書2005.p50,日本理学療法士協会,2006
9)厚生労働省ホームページ:医師臨床研修制度の変遷 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/rinsyo/hensen/(2015年7月25日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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