文献詳細
文献概要
特集 理学療法士界における継往開来
理学療法士教育における継往開来
著者: 吉元洋一1
所属機関: 1鹿児島大学医学部保健学科理学療法学専攻
ページ範囲:P.1071 - P.1076
文献購入ページに移動わが国における理学療法士の教育は,1963年に国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院(2008年3月閉校)に理学療法科が設置されたことに始まる.1965年8月28日には「理学療法士及び作業療法士法」が施行され,1966年2月に第1回の国家試験が行われ,183名の理学療法士が誕生した.
1970年には医療関係者審議会理学療法・作業療法部会から厚生大臣,文部大臣に両分野の養成を学校教育法に基づく大学教育に委ねることが望ましいとの意見が出されている.さらに,1977年に日本学術会議は「リハビリテーションに関する教育,研究体制について」の勧告で,理学療法・作業療法の教育は,4年制大学でなされることが強く望まれるが,教育に当たるものが確保しがたい状況では,少数の4年制大学教育の開始と平行して,3年制短期大学教育をも発足せしめることも必要としている1).この勧告から2年後の1979年には金沢大学医療技術短期大学部に理学療法学科,作業療法学科が設置され,1992年には広島大学に悲願の4年制大学が設置された.
その後,養成施設の数は増加し,2015年5月現在では募集停止を含め253校であり,その内訳は表1に示すごとく4年制大学が4割近くを占めている.入学定員の総数は1万3,635名であり,18歳人口が120万人であることを考えると,100人に1人が理学療法士養成校に入学していることになる.
参考文献
掲載誌情報