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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル49巻12号

2015年12月発行

文献概要

入門講座 重複疾患症例のみかた・2

機能評価—診断名にない症状も含めて

著者: 重田暁1

所属機関: 1北里大学北里研究所病院診療技術部リハビリテーション技術科

ページ範囲:P.1117 - P.1125

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はじめに

 本邦において国民の高齢化は進み,厚生労働省の人口動態調査報告1)によると2013年の65歳以上の高齢者の全人口に占める割合は25.1%に達しており,出生数の減少と相まって今後も増加することが予測されている.また,全人口の総数における死亡原因としては,悪性新生物,心疾患,肺炎,脳血管疾患,老衰,不慮の事故,自殺,腎不全,慢性閉塞性肺疾患,大動脈瘤・大動脈解離と続き,高齢化を反映して内部障害による慢性疾患が多くを占めている.こうした背景のなか,高齢の症例において既往歴は複雑になり,羅患期間は長期化し,複数疾患の合併率も高く,さらに明確な診断名がついていないことも多い.

 したがって,理学療法を開始する前の初診時の機能評価時には,疾患別リハビリテーションにおける主たる疾患の問題の把握とともに,重複疾患や併存症の可能性を常に頭の片隅に残しておくことが必要である.そこで,私見となるが機能評価の進め方と留意点について,症例を交えながら解説する.

参考文献

1)厚生労働省:平成27年我が国の人口動態(平成25年までの動向).http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf(2015年9月12日閲覧)
2)Endsley MR:Toward a theory of situation awareness in dynamic systems. Hum Factors 37:32-64, 1995
3)河野龍太郎:指導医のために 医学・医療の多様性を追求する ヒューマンエラーの見方・考え方 医療過誤を振り返るときの着眼点.日内会誌102:2082-2086,2013
4)日野原重明:POS—医療と医学教育の革新のための新しいシステム.医学書院,1975
5)渡辺 直:電子カルテ時代のPOS—患者指向の連携医療を推進するために.医学書院,2012
6)岩田充永:【高齢者救急の落とし穴—紹介する時,される時】高齢者救急医療における注意点 医療面接のコツ,バイタルサインの解釈,併用薬.総合診療25:524-526,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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