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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル49巻12号

2015年12月発行

文献概要

講座 超音波エコーを用いた非侵襲的理学療法評価法・2

超音波エコーを用いた関節機能の評価と理学療法への応用

著者: 林典雄12 岸田敏嗣2

所属機関: 1中部学院大学看護リハビリテーション学部理学療法学科 2運動器機能解剖学研究所

ページ範囲:P.1127 - P.1134

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講座企画にあたって(編集委員会)

 近年,超音波エコーは非侵襲的に身体内部の状態を把握することが可能なため理学療法分野でも使用の可能性が検討され,一部で臨床応用されはじめている.しかし,超音波エコーを医療現場で理学療法士が使用する場合には注意が必要である.医療現場では,どのような生体モニターや評価機器であっても,患者の身体に適用する以上,医師の管理下で医師の指示に従って行うことが求められる.また,理学療法士が心電図を装着したり,超音波エコーを当てたりすることは可能であるが,診断は不可というのが基本である.例えば,銭湯や薬局などに据え付けてある血圧計で,患者が勝手に測定することは問題ないが,医師以外の誰かが「高血圧」と「診断」すると医師法違反になることと同様に,医療機関で超音波エコーを当て「診断」を患者に伝えた時点で,医師法違反になると考えられる.したがって,理学療法士が医療現場で超音波エコーを使用する場合は,その使用や結果の伝達については,細心の注意が必要となる.

 一方,医師や臨床検査技師が行った超音波エコーの結果を,理学療法士が正しく理解することは非常に有用で,超音波エコーの結果をどのように理学療法に活かしていくか,また,理学療法への応用をどのように浸透させ,拡大していくかは今後の課題でもある.

参考文献

1)林 典雄:運動療法のための運動器超音波機能解剖—拘縮治療との接点.文光堂,2015.
2)林 典雄:運動療法のための機能解剖学的触診技術,第2版.メジカルビュー社,2012.
3)林 典雄:理学療法における超音波画像評価の臨床応用 体幹・下肢.臨床スポーツ医学27:181-188,2010
4)林 典雄:運動器に対する超音波の臨床応用—超音波リハビリテーションの実際—体幹・下肢.臨床スポーツ医学28:1009-1016,2011
5)林 典雄:運動器超音波解剖の関節拘縮治療への展開.理学療法学37:645-649,2010
6)膝関節疾患における超音波診断装置の臨床応用.理学療法学40(suppl):37,2013
7)林 典雄,他:運動器超音波解剖より見た拘縮治療のヒント.運動・物理療法23:25-33,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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