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書評
—伊藤俊一(監修)/隈元庸夫・久保田健太(編集)—「PT・OTのための測定評価DVD Series 6 整形外科的検査」 フリーアクセス
著者: 青木一治1
所属機関: 1名古屋学院大学リハビリテーション学部
ページ範囲:P.173 - P.173
文献購入ページに移動整形外科徒手検査の目的は疾患を把握するためのものとされている.しかし,先に述べたように,検査法も時代に応じて変化している.編者の序文にもあるように,「その多くは,最初に発表した医師をはじめとした医療者の名前や運動の名称がテスト名となっており,同じテストでも別名が用いられることもあります」とある.一つひとつの検査法について吟味していればこその発言と受ける.発案者の考えとは異なったテスト法にその名称が使用されていることもしばしばある.しかし,そのような変化はその疾患をより精度高く判断できるよう進化したものと考える.Door A Kempらが1950年報告したKemp Testは,外側椎間板ヘルニアに用いるテスト法として考案された.現在では外側陥凹部の脊柱管狭窄症の検査としての有用性が高い.また,手根管症候群で用いられるPhalen TestもPhalen自身はThe Wrist Flection Testとして考案したものであったが,Phalenの本来のテストでは誘発が弱く,現在の肘を張って十分手関節を掌屈させたほうが誘発しやすく,名前だけが残ったテスト法である.
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