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とびら
T先生のご退官によせて
著者: 塚本利昭1
所属機関: 1弘前大学医学部附属病院医療技術部リハビリテーション部門
ページ範囲:P.185 - P.185
文献購入ページに移動今,臨床実習指導者となった自分は,学生に配慮し,気遣い,おだて,慰め,遠慮し,顔色を見,体調を気遣い,自分の言葉で語らず,自分の背中を見せず,養成校からの指導方針に従い,少し離れたところから接するような実習をしてはいないだろうか? そういった気持ちや態度は,一見,客観的にみると学生に優しいようですが,実は自信のない自分に嘘をつき自分を守り,一番守らなければならない患者に嘘をついているからこそ学生に厳しい指導ができないのではないかと自問自答しています.T先生は私に本気でぶつかってくれたのだと,今ごろになって気づかされています.学生にとって厳しいことを言うこと,正しいことを目を見て言うことは,学生以上に言う立場の人間のほうが痛いし傷つくことも,この歳になって実感しています.
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