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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル49巻3号

2015年03月発行

文献概要

特集 大規模災害の支援・防災活動—大震災からの学び

大規模災害発生時の医療機関の緊急対応システムと理学療法・士の役割

著者: 冨山陽介1

所属機関: 1宮城厚生協会坂総合病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.213 - P.219

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はじめに

 2011年3月11日の東日本大震災以降も多くの大規模災害が日本を襲っている.2014年の広島県広島市での大規模な土砂崩れも多くの罹災者を生み出した.日本において大規模災害は決して稀ではない.

 東日本大震災直後,当院は救急医療に追われた.その後,避難所や仮設住宅への支援を行った.現在,当院では津波被害に遭った近隣の自治体に理学療法士が健康相談会の一員として参加している.仮設住宅は今もまだ残っており,復興にはまだまだ時間がかかると予想される.一度起こった災害から復興するには非常に長い時間がかかり,その過程でリハビリテーションはさまざまな任務を担うことになる.災害時のリハビリテーションチームのあり方は多くの論点を含むが,自分の施設が被災したら,あるいは近隣が被災した場合にどのように行動すべきかがまず問われるべきだろう.

 本稿では,災害発生後数日までのいわば被災混乱期にリハビリテーションチームに求められることについて,当院の経験に基づいて述べる.

参考文献

1)小熊 信(編):災害医療における組織マネジメント—新たな課題への取り組み.日総研出版,2013
2)近藤国嗣:東日本大震災 被災地の回復期リハ病棟.回復期リハ10:4-13,2011
3)嶋田康伸,他:東日本大震災とリハビリテーション(第1期) 地震発生からライフライン復旧まで(地震発生〜約1ヵ月) 震災後から1ヵ月間の取り組み.臨床リハ20:959-961,2011
4)小川美歌:東日本大震災とリハビリテーション(第1期) 地震発生からライフライン復旧まで(地震発生〜約1ヵ月) 文字通り床の上からの出発.臨床リハ20:962-963,2011
5)水尻強志:東日本大震災とリハビリテーション(第1期) 地震発生からライフライン復旧まで 東日本大震災において再認識したリハビリテーションの役割.臨床リハ20:964-965,2011
6)上月正博:東日本大震災に際して 災害リハビリテーション—東日本大震災被災地での3ヵ月.Jpn J Rehabil Med 48:576-587,2011
7)東日本大震災リハビリテーション支援関連10団体「大規模災害リハビリテーション対応マニュアル」作成ワーキンググループ:大規模災害リハビリテーション対応マニュアル.医歯薬出版,2012
8)佐藤 武:被災地における回復期リハビリテーション病棟からの報告—震災時の回復期リハビリテーション病棟で行うこと.Jpn J Rehabil Med 49:224-231,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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