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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル49巻3号

2015年03月発行

文献概要

症例報告

術後感染による両側TKA再置換術後1症例の理学療法からみた臨床的課題

著者: 宮﨑紗也佳1 池田耕二2 廣瀬将士1 町井義和3

所属機関: 1宝持会池田病院総合リハビリテーションセンター 2大阪行岡医療大学医療学部 3宝持会池田病院整形外科

ページ範囲:P.267 - P.271

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要旨:人工膝関節形成術(total knee arthroplasty:TKA)は理学療法を代表する運動療法疾患の観血的療法の1つである.合併症には術後感染があり,治療法にもさまざまなものがある.近年は抗菌薬入りのセメントスペーサーによる2期的再置換術が良好とされている.今回,術後感染症による両側2期的TKA再置換術1症例の理学療法を行い,従来のTKAとは違う経過や問題点を経験したので,それをもとに具体的な臨床的課題を抽出した.

 その結果,1)疼痛に対する物理療法の適切な選択,2)適切な関節運動を誘導する関節可動域運動とその妥当性,3)関節や筋の状態を評価しながら負荷量を設定する筋力増強運動とその妥当性,4)転倒リスクの回避と日常生活活動の維持,5)体力維持(廃用症候群予防),6)炎症の再燃を意識した運動量の設定,7)退院後の炎症の把握,8)運動量の増加に伴う転倒リスク,9)長期入院による心理的負担という臨床的課題が挙げられた.

参考文献

1)吉野槇一:人工膝関節の合併症,治療と対策.金原出版,2006
2)木村正一,他:人工膝関節全置換術後感染の治療経験.東日本整災会誌20:571-575,2008
3)米倉暁彦,他:人工関節術後感染に対する二期的手術.関節外科24:48-53,2005.
4)Perry J,et al(著),武田 功,他(訳):ペリー歩行分析—正常歩行と異常歩行.p39,医歯薬出版,2007
5)萩原礼紀,他:人口膝関節置換術術後の理学療法最前線.理学療法25:1192-1199,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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