文献詳細
文献概要
とびら
私を駆り立てるもの
著者: 佐藤房郎1
所属機関: 1東北大学病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.281 - P.281
文献購入ページに移動一方,5〜6年経験を積み自信が出てきたころのことでした.実習生と運動発達遅滞の小児を担当し,母親に症状の説明や療育指導を行っていたつもりでした.実習生が実習を終え,複数の患者を調整しながら診療していたときでした.母親が「先に来て待っているのになぜ後に来た患者を先に診るのか,実習生はいつもそばにいてこの子のために対応してくれたのに」と訴えられました.自分の配慮のなさと実習生より劣る対応と言われ,それ以来トラウマになっていました.その母親の思いを素直に受け入ることができたのは,自分が父親になってからです.
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