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特集 頭頸部および肩凝りに対する理学療法
肩凝りに対する理学療法
著者: 新井恒雄1 柿崎藤泰2
所属機関: 1三枝整形外科医院 2文京学院大学
ページ範囲:P.427 - P.434
文献購入ページに移動ヒトが重力の環境下で,ある特定のパターンで行う動作の繰り返しや,体幹の深部筋が機能しない状態で身体各部位を過剰固定する動作を強いられると,その後も分節性が破綻する.頭部の重さはその身体質量分布1)から8.1%とされるが,不良姿勢による頸部筋への負担増大は明らかで,頸部と体幹の分節性の低下を生ずる.頸部体幹の分節性の低下および頸部筋の過緊張は視覚前庭系の情報も変化させる.つまり,空間上での自己定位を正確にさせるためには,筋緊張とアライメントが重要になる.よって肩凝りの改善には,頸部の筋だけではなく頸部の土台となる体幹機能評価が重要な項目となる.僧帽筋を中心に頭・頸部を起始とする筋は肩甲骨を経由して,胸郭を中心とした体幹に多く付着する.つまり,力学的観点だけではなく筋の走行からも胸郭を踏まえた体幹機能評価が重要となる.
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