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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル49巻5号

2015年05月発行

文献概要

特集 頭頸部および肩凝りに対する理学療法

肩凝りに対する理学療法

著者: 新井恒雄1 柿崎藤泰2

所属機関: 1三枝整形外科医院 2文京学院大学

ページ範囲:P.427 - P.434

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はじめに

 ヒトが重力の環境下で,ある特定のパターンで行う動作の繰り返しや,体幹の深部筋が機能しない状態で身体各部位を過剰固定する動作を強いられると,その後も分節性が破綻する.頭部の重さはその身体質量分布1)から8.1%とされるが,不良姿勢による頸部筋への負担増大は明らかで,頸部と体幹の分節性の低下を生ずる.頸部体幹の分節性の低下および頸部筋の過緊張は視覚前庭系の情報も変化させる.つまり,空間上での自己定位を正確にさせるためには,筋緊張とアライメントが重要になる.よって肩凝りの改善には,頸部の筋だけではなく頸部の土台となる体幹機能評価が重要な項目となる.僧帽筋を中心に頭・頸部を起始とする筋は肩甲骨を経由して,胸郭を中心とした体幹に多く付着する.つまり,力学的観点だけではなく筋の走行からも胸郭を踏まえた体幹機能評価が重要となる.

参考文献

1)David AW:Biomechanics and motor control of human movement, 3rd ed. pp63-64, Wiley, Newjersey, 2004
2)Oatis CA:Analysis of the Forces on Cervical Spine during Activity. Oatis CA(ed):Kinesiology:the Mechanics and Pathomechanics of Human Movement, 2nd ed. pp511-519. Lippincott Williams and Wilkins, Philadelphia, 2008
3)柿崎藤泰,他:下位胸郭の機械的側方変位に伴う腰部多裂筋断面積変化の検討.理学療法学38:I1-216,2011
4)日本整形外科学会:症状・病気を調べる,肩周辺の症状,肩こり,2015 http://www.joa.or.jp/jp/index.asp(2015年3月18日閲覧)
5)河上敬介,他:頸部と体幹の前面の筋.河上敬介,他(編)骨格筋の形と触察法.pp129-131,pp135-141,大峰閣,2007
6)Vleeming A, et al:The posterior layer of the thoracolumbar fascia. Its function in load transfer from spine to legs. Spine(Phila Pa 1976)20:753-758, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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