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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル49巻5号

2015年05月発行

文献概要

講座 ボツリヌス療法・1【新連載】

ボツリヌス治療—脳血管障害

著者: 菊地尚久1

所属機関: 1横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科

ページ範囲:P.455 - P.461

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はじめに

 脳血管障害,脳性麻痺,脊髄損傷などの中枢神経疾患には,痙縮が随伴することが多い.痙縮は上位運動ニューロン症候群による陽性徴候の一つであり,腱反射亢進を伴った緊張性伸張反射の速度依存性増加を特徴としている1).痙縮により,クローヌスや筋のスパズム,姿勢異常,病的共同運動,筋の同時収縮,筋の過剰な筋活動が出現し,さらに筋の短縮,関節可動域制限を生じ,これに伴い疼痛,歩行障害,ADL障害,QOL障害の原因となる.

 痙縮に対する治療としては,筋弛緩薬などの薬物療法,物理療法,装具療法,フェノールを用いた神経ブロック,腱延長などの整形外科的治療などが従来用いられてきたが,ボツリヌス治療も近年保険適用に伴い,用いられるようになってきた.ボツリヌス治療は神経筋接合部でのアセチルコリン放出を抑制するボツリヌス毒素を筋に直接投与する治療法であり,従来用いられてきた治療法と比較して,直接的な痙縮抑制効果があることから,有効な治療法の一つであるといえる.

 ここではボツリヌス治療の概説,脳血管障害に対するボツリヌス治療の評価,適応と効果,ボツリヌス治療後の装具療法,理学療法について概説する.

参考文献

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3)向井洋平,梶 龍兒:痙縮のボツリヌス治療.Brain Nerve 60:1421-1426,2008
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8)木村彰男,他:A型ボツリヌス毒素製剤(Botulinum Toxin Type A)の脳卒中後の下肢痙縮に対する臨床評価—プラセボ対照二重盲検群間比較試験ならびにオープンラベル反復投与試験.Jpn J Rehab Med 47:626-636,2010
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11)杉山統哉,他:急性期脳卒中患者の歩行自立度と社会的サポートの関連—リハビリテーション患者データバンクの多施設登録データを用いた研究.総合リハ41:161-169,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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