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特集 急性期からの理学療法
急性期以降を見据えた急性期理学療法のあり方
著者: 斎藤均1
所属機関: 1横浜市立脳卒中・神経脊椎センターリハビリテーション部
ページ範囲:P.529 - P.537
文献購入ページに移動急性期は,回復期や維持期へ続く理学療法の基盤になる.積極的な治療介入として,急性期から患者の将来までの生活の質を見据え,患者中心に捉えた,シームレスな理学療法を考えなくてはならない.
横浜市立脳卒中・神経脊椎センター(以下,当院)は,脳卒中の専門病院として,病院全体がstroke unitという形で1999年に開設された.Stroke care unit(SCU)12床,intensive care unit(ICU)6床,回復期病棟102床を有しており,救急で入院してからリハビリテーションを行い社会復帰までを一貫して担う病院完結型の形をとっている(図1).2012年度の実績では,急性期リハビリテーション実施患者のうち,入院期間が31日以上の患者が54%と半数以上を占め,そのうち25%が当院の回復期リハビリテーション病棟に転棟しており,急性期から回復期までの患者の変化を目の前で経験している.また,回復期リハビリテーション病棟を経て自宅退院をした患者は,2か月後,6か月後,1年後の外来でフォローアップを行っており,退院後の患者の変化を知ることができる環境にある.
本稿では,脳卒中片麻痺者の“急性期以降を見据えた急性期理学療法のあり方”について,臨床での経験をもとに,回復期からみた視点も踏まえて,急性期の理学療法,生活指導,福祉用具(下肢装具)の配慮について述べる.
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