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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル49巻8号

2015年08月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?

運動関連脳電位

著者: 縄井清志1

所属機関: 1つくば国際大学医療保健学部理学療法学科

ページ範囲:P.737 - P.737

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 自分の意思で身体を動かすとき,実際の運動が起こるよりも前に脳の活動は始まっている.この随意運動の前の脳電位活動を準備電位といい,ヒトの頭皮上から記録される脳波である運動前陰性電位を運動関連脳電位(movement-related cortical potentials:MRCP)という(図)1,2)

 MRCPは,誘発電位の事象関連電位に含まれる.しかし,MRCPは通常の誘発電位と異なり,感覚刺激により惹起されるものではなく,自発的な意思による運動に関連してみられるもので,一定の随意運動を行わせた場合に運動側とは反対側の運動野を中心に出現する穏やかな陰性電位である.

参考文献

1)藤原勝夫(編):運動・認知機能改善へのアプローチ—子どもと高齢者の健康・体力・脳科学.p8,市村出版,2008
2)Shibasaki H, et al:Components of the movement-related cortical potential and their scalp topography. Electroencephalogr Clin Neurophysiol 49:213-226, 1980
3)北村純一:[特集 脳の機能検査マニュアル]MRCP(運動関連脳電位).MB Med Reha 40:8-16,2004
4)Rosenbaum DA:関屋 昇(監訳):動作の仕組み—からだを動かす原理の探求.pp84-88,三輪書店,2012
5)縄井清志,他:運動関連脳電位を用いた両手の単純な運動と複雑な運動の比較検討.北里医学34:13-21,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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