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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル49巻8号

2015年08月発行

文献概要

短報

骨盤臓器脱症例の運動機能の特性—起立歩行動作における健常対照者との比較から

著者: 平井菜穂1 野村昌良2 志藤友美1 寺本咲子2 清水幸子3 村永信吾1

所属機関: 1医療法人鉄焦会亀田メディカルセンターリハビリテーション室 2医療法人鉄焦会亀田メディカルセンター産婦人科・ウロギネコロジーセンター 3医療法人鉄焦会亀田メディカルセンター産婦人科

ページ範囲:P.761 - P.764

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要旨:[目的]今回われわれは骨盤臓器脱(pelvic organ prolapse:POP)患者の運動機能を評価した.また,人間ドックを受診した成人女性(健常対照者)と比較しPOPの運動機能に与える影響について調べた.[方法]手術治療の適応となったPOP患者93名と健常対照者96名を対象とした.運動機能評価は開眼片脚起立時間,Timed Up and Goテスト,立ち上がりテスト,2ステップテストを行った.[結果]POP患者と健常対照者の年代別の比較では,各年代ともPOP患者群は健常対照者群と比較し運動機能の有意な低下が認められた.[結論]手術治療の適応となったPOP患者は同年代の健常対照者と比較し動的バランス能力,脚力,歩行能力といった運動機能の低下と関連があることを明らかにした.

参考文献

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2)加藤久美子,他:女性における下部尿路症状と対処:骨盤臓器脱について.老年医学50:585-589,2012
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4)Smith MD, et al:Postual activity of the pelvic floor muscles is delayed during rapid arm movements in women with stress urinary incontinence. Int Urogynecol J Pelvic Floor Dysfunct 18:901-911, 2007
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9)坂光徹彦,他:脊柱後彎変形とバランス能力および歩行能力の関係.理学療法科学22:489-494,2007
10)田舎中真由美:体幹機能不全に対するアプローチ.The Jornal of Clitical Physical Therapy 12:1-6,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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