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書評 —玉木 彰・高橋仁美(編著)—「リハビリテーション・ポケットナビ 今日からなれる! 評価の達人」 フリーアクセス
著者: 松永篤彦1
所属機関: 1北里大学大学院医療系研究科
ページ範囲:P.769 - P.769
文献購入ページに移動もともと検査法や評価法は,その性質から,誰が実施しても正しく実施でき,同じ結果と解釈が得られることが求められる技法である.むしろ,上述のような「達人」技は敬遠されることが多い.しかし,理学療法士が臨床現場で実施する評価は,一般に,相手(対象)が「人」そのものであるだけに一様には行えず,患者の病期,病態および個人の特性に応じて実施方法を工夫し,しかも出てきた結果を解釈するにしても多くの情報を統合しなければならない.つまり,「達人」技が要求され,それには熟練を要する.ただし,「達人」技というと,達人たちによって技が異なり,千差万別の技があるように思われがちだが,そうではない.長い臨床経験をもつ理学療法士には賛同いただけると思うが,10年以上ともなると,どの理学療法士も,関節の持ち方,角度計の当て方,測定中の留意点など,ほぼ同じ方法で実施していることに気づく.実施者の手法を見れば,概ねどのくらいの臨床経験をもつ理学療法士であるかがわかるほどである.つまり理学療法士が実施する評価の技は,経験ある達人から的確に学べば,短期間にしかも汎用できる技として身につけることができる可能性があるわけである.
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